<Forbes JAPAN定期購読会員の皆様へ> 決済システム変更にかかる決済情報再登録のお願い

国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

別モノとなったクラウンが颯爽と走り抜ける/クラウン 2.5リッター・シリーズパラレルハイブリッド

ここまで大改革を行った日本車はないはずだ。

発売開始となったばかりの16代目のトヨタ・クラウンは完全に大変身を遂げている。長い間、国内専用モデルだったが、今度は世界戦略車として欧米にも羽ばたこうとしている。

クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートという4つのボディスタイルが設定された16代目クラウンが今年夏に発表された時、市場に衝撃を与えた。今回は、その中から先行して発売されたクロスオーバーの2.5リッター・シリーズパラレルハイブリッド仕様に試乗した。フラッグシップのターボ・ハイブリッド仕様は遅れて登場する。

クラウンの全景

横浜の某ホテルで開催された試乗会会場に現れた新クラウンを最初に眺めた時に、まずはずっとクラウンに乗ってきた日本人として見たなら、かなりショックを受けるだろうけど、視点をコロッと変えてメインマーケットとなるアメリカのユーザーの目から見たら、やはり印象が全然違う。フレッシュで格好良く映る。しかも、349psのターボ・ハイブリッド、21インチのタイヤ、そしてトヨタ流の信頼性を考えると、期待度がより上がる。

デザインがガラッと変わったのはいいと思う。ひとつの時代が終わった。女王陛下とともに、これまでのクラウンも幕を下ろす時が来た。ただネーミングはどうかな。「クラウン」を今回も使うのは、昔から系列が変わってないと言いたいかららしい。例えば、12代目から15代目までのデザインの流れや進歩を見て、何となく「そうだよね、そういうふうに少し進化しているね、一貫性があるね」とうなずけるけど、15代目と16代目のこの新型車を比較してみると、一貫性はどこにもない。

走るクラウンの写真

日本でクラウンに憧れてきた世代のユーザーにとっては、新型車にはだいぶ慣れが必要だと思うけど、クラウンを全然知らない欧米人から見ると、とても新鮮でスポーティに映る。なのにこれを、クラウンというハッキリ言って古くさい名前で呼ぶと、まるで40年前から知っている同級生がいきなり整形して顔を思い切り変えて、しかもジムで筋肉を鍛えきたようなイメージだ。

全く新しいデザインとコンセプトを築いたのは前進だ。新しい市場を目指してここまで変えるなら、僕としてはクラウンとは別のラインにすべきだったと思う。全然違うクルマなんだから。トヨタは「C」から始まる名前を好むということで、「Crown」より「Crest」(頂上・山頂、またはライオンのたてがみを意味する)とかの方が良かったのではないだろうか。

先入観がないアメリカ人から見た場合、この「セダンでもない、SUVでもない」と言うファストバック系の4ドア・サルーンには関心を抱く。日本では20代から30代の人に新クラウンのスタイリングがかなりウケているとトヨタ側は言うけど、海外では、もっと幅広い年齢層にアピールするだろうし、スタイリング重視で力強いターボハイブリッド搭載のトヨタ車は、ちょっとした革命を起こすかもしれない。

文=ピーター・ライオン

トヨタ自動車
この著者の記事一覧へ

PICK UP

あなたにおすすめ