<Forbes JAPAN定期購読会員の皆様へ> 決済システム変更にかかる決済情報再登録のお願い

世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

課題解決の頼れるパートナーであるコンサルティングファーム。しかしどこが自社に最適なのか、導入に悩む経営層は多い。
そうした現状を打開すべく、デロイト執行役員というキャリアを捨て、Co-nnect Inc.の関根 有は、企業×コンサルファームのベストマッチングを実現するプラットフォーム「PROFFIT」を生み出した。その仕組みがなぜ、企業の明るい未来を約束するのだろうか。


企業のコンサル選びを最適化する仕組み


社内リソースだけで解決するには大きすぎる課題を前に、立ちすくんでしまう企業。VUCAかつ人材不足の時代、社内人材を育てて課題を解決するのでは、とても間に合わない。

「企業が直面する課題が難しくなっていますが、それと同時に、ここ数年でコンサルの専門性や支援の仕方も進化し続けています」

そう語るのは、東京大学工学系研究科出身の生粋の理系頭脳の持ち主であり、デロイトトーマツコンサルティングでは最年少執行役員に抜擢された経歴を持つ、課題解決のスペシャリストでもあるCo-nnect Inc.代表 関根 有(以下、関根)だ。

企業が外部の知見を活用する方法の一つは、コンサルティングファームの活用である。しかし依頼未経験の企業にとって、どこのファームの門を叩けば自社の課題解決に最適なプロフェッショナルが見つかるのか、を判断するのは難しい。すでに活用経験があったとしても、その投資対効果が適切だったかを判断することもまた、難しい。

「もっと自社にあったコンサルタントを探しやすく、選びやすい仕組みが必要だと思いました。そこで企業×コンサルティングファームのベストマッチングを実現するプラットフォーム・PROFFITという仕組みをつくりました」

コンサルタントにも得手・不得手があり、課題解決のアプローチも多岐にわたる。コンサルタントとアプローチの選択が結果を左右しているのが現実だ。PROFFITでは企業の課題に合わせて、それぞれの分野の専門コンサルタントをマッチングしていくことで、課題解決に最高の成果を得ようというのだ。なぜ、関根はそうした思いに至ったのだろうか。


関根 有 Co-nnect Inc. 代表

スピード昇進で感じた苦悩と創業への想い


東京大学工学系研究科を卒業すれば、通常はメーカーの研究職などの道に進む。しかし関根はひとりの先輩の影響で、踏み出す道の方向が変わったという。

「学生時代、コンサルティングファームに就職した先輩に会って、悩みを相談しました。そのとき自分が抱えていた悩みの構造を把握して、とてもわかりやすく整理してくれ、こうしたほうがいいよというアドバイスをもらったのです。

特別なツールを使うわけでなく、時間もそれほどかからずに、あっという間に自分を勇気づけてくれたことに驚きました。人を短時間でこんなに喜ばせることができる仕事として、コンサルティングという仕事に、大きく興味をそそられました」

そして関根は、新卒でグローバルのコンサルティングファーム、A.T.カーニーに入社する。周囲は憧れてしまう先輩スペシャリストばかり。そのなかで彼は計画を立てた。

「コンサルティングに必要なスキルを10個に切り分け、2カ月にひとつずつマスターする2年計画を立てたのです」

各分野の“師匠”を定め、徹底的に真似し、学んだ。社内のスペシャリストに教えを乞い、限りない時間を投じてコンサルタントのスキルを得た関根。ただスキルを得たのはよいものの、月日を経るに従って、さながら自分を猛スピードで稼働する課題解決マシーンのように感じるようになったという。

与えられた課題を解くのではなく、もっと悩みを相談される存在になりたい。そこで未経験ながら課題提案(営業)を担うコンサルタントとして、日本有数の巨大ファーム、デロイトトーマツコンサルティングへと移籍する。しかしそこには大きな挫折が待ち構えていた。

「スキルには自負があったので、自信満々、提案書も準備万端で挑みました。しかしそれにもかかわらず、まったく契約が取れない。そうした状態が半年以上続き、周囲の目も厳しくなって針のむしろのように感じていました」

正しくやるべきことをやっているはずなのに、仕事として成立しない。なぜなのか。試行錯誤を繰り返し、自分の視点に疑問を抱いて仮説を立てた。

「それまで自分はクライアントとテーブルを挟み、向かい合って座っていたのです。しかしクライアントが求めていたのは、隣の席に座り(顧客の立場に立って)、自分だったらどうするかと考える人間だったのです」

“やるべきこと”を教えるだけでなく、“やってみたい”という気持ちをつくること。これこそが大切だったのだ。

その気づきとともに、彼の成績は急速に伸び、「33歳の若さでデロイト最年少執行役員」というコンサルタントとしてのトップレベルまでたどり着く。周囲からは順風満帆のように見えたが、関根はここでまた自問することになる。

「新規企業開拓のための営業活動に時間を割けば割くほど、プロジェクトでの課題解決が手薄になる。プロジェクトのフォローに時間を割くと、自分自身が学ぶ時間が減る。課題解決力が下がっているのではないかと焦りを感じました」

原因を分析すると、コンサルタントという職業・ビジネスモデルの構造的な課題が浮かび上がってきた。営業活動と課題解決の両方を担い、稼働を高く維持し続なければならないことは、コンサルタントにとっても、そして企業にとっても望ましくないのではないかと。

「腕のいい外科医は、営業に時間を割くよりも、目の前の患者の治療、手術に集中すべきと思うのです。コンサルタントも“企業の医者”と表現することもありますが、専門的知識を磨き、活用することに特化することが、企業にとっても、ひいては、社会全体にとっても理想なのではないかと考えました」

コンサルタント業界の仕組み自体を変えるべきだと関根は確信した。その結果生まれたのが、企業×コンサルティングファームのマッチングを実現するプラットフォーム・PROFFITである。



PROFFITが営業ゼロで広がり続ける理由


PROFFITがプラットフォームとして実現するのは、企業の悩みに合わせて専門チームを募集し、選べる仕組みであり、コンサルタントにとっては営業活動を効率化し、課題解決に集中できる環境を提供する仕組みである。この仕組みを通じて企業の課題解決力向上に貢献することを目指している。

「企業にとってのいちばんの課題は、コンサルへの頼み方です。本来社内でやるべきこととコンサルに頼むべきことの切り分けがうまくできていなかったり、コンサルの能力を過信し、言われるがままに進めてしまうケースもあります。これでは求めている成果は実現できません。コンサルファームも1,000社を超え、選択肢が拡がっている中で、課題に合わせた組み合わせ方が、成果の差を生み始めています」

PROFFITでは、相談を受けた際、「コンサルに本当に頼むべきかどうか」から議論をスタートする。コンサルを使わない選択肢も含めて顧客にあった進め方を整理していくのだ。実際、相談のうち約2割は、コンサルを活用する前にまだ社内でやるべきことがある(コンサルはまだ使うべきではない)という結論に至っているという。創業時から徹底して依頼すべきことを絞るというスタンスはぶれていない。

依頼事項が整理できた段階で、オンラインで提案を一括募集していく。各社への個別の説明は不要で、質問対応もすべてオンライン。サイト上で提案書を横比較し、有望な提案者とのみ面談を進めていける効率化を重視したプロセスとなっている。

選定に関しては、PROFFITがテーマごとに評価のポイントや依頼後に発生し得るリスクなどをアドバイスすることで、最終選定までフォローする。

「当初は、課題整理から提案募集まですべて自動化しようと考えていました。1,000を超える課題パターンを基に、フォームに入力すればすぐに候補者が選べるという仕組みです。しかし実際にPROFFITを浸透させるのには不向きでした。

なぜなら、企業にはパターンに当てはめるのではなく、それぞれの固有の悩みをヒアリングしてもらいたい、そのうえで課題を切り分けてほしいという“気持ち”があったからです。そのサポートは、ヒトの力でなくてはできないことでした。そのためPROFFITは自動化するシステムと、ヒトの力で行う部分を両立させることにしたのです」

その結果として、営業チームをもつことなく、リピート利用・紹介のみで大企業200社の利用に至っている。

「アジャイル型課題解決」で日本企業の未来をつくる


PROFFITのサービス開始当初は、提案募集の仕組みは価格競争につながるのではないかと、ファームから憂慮の声が殺到したという。

「私たちの行っていることは、コンサルタント営業のDXであり、企業の課題解決のDXです。目的は、より気軽に、より深くコンサルの提供価値を知ってもらい、コンサルが得意なテーマで活躍できる機会を増やすこと。課題解決の知恵が磨かれ、生かされる好循環を創り出すものです」

こうした想いが届いたことで、活用企業が当初の2〜3社から、200社を超えるまでになり、フェアにコンサルタントを選定できることから、PROFFITのみでコンサル選定を進める企業も増えた。当初抵抗のあった大手ファームも全社的に当社サービスを利用開始し、次第に憂慮の声はかき消されていった。

「着実に拡大してきてはいますが、いまもなお、自分自身が提供価値や仕組みのありかたを疑う姿勢は変わっていません。不安もあります。ただ、検討を始める前からワクワクしてきた、課題解決が楽しみになった、そんな企業の声を聞けることが何よりの自信とエネルギーになっています」

PROFFITの仕組みは、一社一括ではなく、得意技を持ち寄った多様なコンサルチームによる新たな課題解決を加速させる。また、コンサルが互いに切磋琢磨することで業界全体の価値が高まっていく転換点になるという。

最後に、関根に将来展望を聞いてみた。

「終身雇用、内部人材活用ではとても追いつかないスピードで、世の中は変化しています。もはや人材を育成している時間はありません。物事を学んでいる間に、環境が変わってしまうのです。

私は人材不足・採用困難な時代で、企業が生き残るためには、“社外の知恵の活用力”が不可欠だと確信しています。目の前の課題を、社外の知恵を使っていかに早く解くかが最大の課題となったのです。

今後は、コンサル業界の働き方改革・育成など、さらなる新たなテーマのDXにも取り組んでいく予定です。

願わくば、コンサル業界にとどまらず、社会の「課題解決プラットフォーム」となるまで、PROFFITを育て上げたい。知恵が磨かれ、生かされる仕組みが、日本の将来を創る。私はそう信じているからです」

PROFFIT
https://proffit.jp/


関根 有(せきね・ゆう)◎東京大学工学系研究科修士課程修了。A.T.カーニーにて5年間、中長期戦略立案等に従事し、デロイトトーマツコンサルティングの最年少執行役員に就任。2017年Co-nnect Inc.を創業、代表に就任。

Promoted by Co-nnect │ text by Ryoichi Shimizu │ photographs by Shuji Goto │ edit by Akio Takashiro

DX NOW
VOL.49 BrandVoice

DXの要諦とパーパス経営の本質を知ることから...

VOL.1

初の資金調達に踏み切った、デジタル・クリエ...

あなたにおすすめ