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アンドパッド 取締役CFO 荻野泰弘

クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を手がけるアンドパッドは9月14日、第三者割当増資および融資による総額約122億円の資金調達を実施したと発表した。今回のシリーズDラウンドで、会社設立から累計の資金調達額は約209億円となった。

同ラウンドは、既存投資家のMinerva Growth Partnersがリード投資を担い、複数の海外機関投資家、ジャパンコインベスト、日本政策投資銀行、フォースタートアップスが新規引受先として参画。グロービス・キャピタル・パートナーズ、DNX Venturesも既存投資家として追加出資し、融資は三菱UFJ銀行と商工組合中央金庫から受けた。

調達額の過半は海外機関投資家から得た。米資産運用大手で日本ではfreee、Sansan、atama plusへの投資実績をもつT.Rowe Priceに加えて、1931年に米ロサンゼルスで設立された世界最大級のロング・オンリー機関投資家(名称非開示)が参画している。同社の国内未上場株への出資は今回が初めてとみられる。

アンドパッド取締役CFOの荻野泰弘は、「長期保有を前提に、今後のディスカッションパートナーとしてバーティカルSaaSに深い知見をもつ海外のクロスオーバー投資家を招き入れることが今回のラウンドの大きな目的だった」と話す。100億円を超える規模の調達となるため、将来、上場した際にオーバーハング(既存大株主による大量の株式売却の懸念から株価上昇が抑えられる現象)を防ぐ観点から、VCの株主比率を抑えたいという資本政策上の狙いがある。

海外機関投資家の候補は、国内上場株、国内SaaS企業、グローバルのバーティカルSaaS企業への投資経験をそれぞれ有していることを主な基準として少数に絞りアプローチしたという。評価されたポイントについて荻野は、1. マーケットの大きさ、2. 独占的なポジショニング、3. 明確な成長戦略と実行力、4. 経営チームの4点を挙げる。

アンドパッドが身を置く建設業界の国内市場規模は約62兆円あり、主力の「ANDPAD」は、クラウド型施工管理サービスでシェア1位を獲得(デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ)。16年に提供を開始して以降、利用社数は14万5000社を超えた。21年11月には、「ANDPADアプリマーケット」として、オープンAPIによる外部サービスとの連携強化を明確に打ち出すなど、業界全体のDXを推進するプラットフォーマーとしての成長戦略を掲げている。

今回の調達を受けた企業評価額については非開示としている(800億円〜1000億円未満とみられる)が、「今年1月に投資家への案内を始めた当初に試算した数値から最後まで調整は入らなかった」と荻野は話す。

文=眞鍋 武

資金調達スタートアップ

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