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いまおいしい、いま知りたい食のトレンド最前線

Forbes JAPAN本誌で連載中の『美酒のある風景』。今回は9月号(7月25日発売)より、「テルモン レゼルヴ・ブリュット」をご紹介。優しく、やわらかく、和を感じる味わいの1本だ。


猛暑日が続き、電力がひっ迫するなど、酷暑が予想されている今夏……こう暑いと、今年のワインの出来はどうだろうかと気にかかる。ワイン産地においては、冷涼な気候と日照、年間および日中の寒暖差がブドウ生育のための重要な条件となっているからだ。

とあるシャンパーニュの醸造責任者によれば「例年10月だったブドウ収穫が(気候変動のために)早まり、8月に行うのはザラ」とのこと。このまま温暖化が進めばシャンパーニュ地方でシャンパーニュがつくれなくなるかも、と危惧の念を抱く関係者も多いのだという。

テロワールを大切にするワインの世界ではSDGsという言葉が生まれる前から環境保護への意識は高く、例えば農薬を使わないオーガニックワインなどは古くから製造されてきた。しかし、現在の気候変動の渦中にあって、より多角的なアクションを講じる生産者も登場してきている。その先鋒がシャンパンーニュ・メゾンの「テルモン」だ。

1912年に創業した「テルモン」は2017年に初めて畑でオーガニック認証を取得。自社および契約農家が100%オーガニック認証されることを31年までに実現すると目標を掲げている。これだけでは従前の有機農法と変わらないが、「テルモン」がスゴいのはこれから。

いわく、「すべてはボトルにあり、ボトル以外に何も必要ない」から、外装材やギフト包装材の製造と使用を禁止。つまりはボトルのまま販売するというエコデザインを採用している。そのボトル自体もリサイクルガラスを使用という徹底ぶりだ。

そしてCO2排出量を削減するため、メゾン敷地内は太陽光発電、車はEV、商品は一切の空輸を使わない……つまり「テルモン」は本気でサステナビリティに取り組むシャンパーニュ・メゾンなのだ。22年には、この姿勢に共感した環境保護活動家としても知られるレオナルド・ディカプリオが出資を決めたと伝えられている。

ではその味わいは? 「優しく、やわらかく、和を感じる味わいで料理に寄り添いやすいシャンパーニュです」と語るのはミシュラン一つ星の和食店「乃木坂しん」のソムリエ、飛田泰秀だ。「和とは“輪”でもあり、環境や自然の摂理に配慮するテルモンのフィロソフィーそのものです」とも。

飲んで一瞬の快楽を追求するのではなく、その前後のストーリーや、モノづくりの背景に共感して購入・消費を決める時代がいよいよやってきた。

今宵の一杯はここで


乃木坂しん


「食材との特徴とシャンパーニュに接点を持たせるペアリングを心がけています」と飛田さん。

和の料理人とソムリエのタッグ

徳島県の料亭を端緒に、銀座やパリの星付き日本料理店で経験を積んだ料理人、石田伸二と、フランス料理から日本料理まで、数々の経験を積んできたソムリエ、飛田泰秀がタッグを組んで2016年にオープン。四季折々の滋味に富んだ正統派の日本料理を柱としつつも、そこに日本酒やワインをペアリングさせ、互いを高め合う世界が広く人気を博している。


「鱧の湯引き 煎り酒のジュレ」は19800円(サ別)〜8月のコースの一皿。



乃木坂しん
住所/東京都港区赤坂8-11-19エクレール乃木坂 1F
Tel. 03-6721-0086
営業時間/(水〜土のランチは前日までの要予約)12:00〜15:00(LO13:00)、18:00〜23:00(LO21:30)
定休/日、祝日の月、その他不定休あり

photographs by Ryoma Yagi | text and edit by Miyako Akiyama

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