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Anuradha Varanasi is a freelance science writer.

Africa Studio / Shutterstock.com

学術誌『JCPP Advances』に掲載された新たな論文のなかで、心理学者たちは、情動の処理と反応における男女差を考慮に入れることにより、自閉症の診断プロセスを改善できると論じている。

英バース大学とカーディフ大学に所属する研究グループによれば、男性は女性と比べて、情動的体験に浸ることへの欲求が小さい傾向にある。自閉症女性による情動と情動欲求の表現が、自閉症男性のそれとは異なるために、女性はニューロ・ダイバージェント(神経学的非定型/いわゆる「発達障害」を、「神経学的多様性」のひとつとしてとらえた概念)であっても、そのように診断されにくいことが明らかになった。

「情動処理の違いは、自閉症が男性により多くみられることを説明する心理的メカニズムのひとつと考えられ、女性においては、(自閉症の特徴を)相殺する機能を果たしている可能性がある」と、研究チームは論じている。「例えば、女性は情動を惹起する体験を積極的に追求することで、社会的・情動的な困難を緩和しているのかもしれない」

自閉症は、常同的かつ反復的な行動を特徴とする神経発達様式だ。自閉症の男性は一般的に、同じ行動を繰り返す傾向にあり、また社会的コミュニケーションや他者の意図を理解することに困難を抱えがちだ。

しかし自閉症の女性は、自他の情動に関して、男性よりうまく対処できる傾向がある。多大な努力とエネルギーをつぎ込むことで、結果的に自閉症の特徴をカモフラージュし、隠し通す傾向があるのだ。

医師や心理学者は、無意識のジェンダーバイアスを抱えており、そのため女子児童や女性が自閉症と診断されることは少ない。成人女性は、生涯のずっとあとの段階になってから、自閉症と診断される傾向にある。

研究チームは、英国に住む1656人の若者のデータを分析し、男性が女性よりも自閉症の特徴を示しがちである理由の解明に取り組んだ。

カーディフ大学のルーシー・リビングストン(Lucy Livingston)はプレスリリースのなかで、「女性における『隠れ自閉症』の問題は社会の注目を集めており、現行の診断アプローチに潜む欠点を示唆している」と述べている。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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