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Getty Images

パンデミック後の仕事世界が再び動き出す中、社会的・経済的な問題や仕事の未来には、無数の不確定要素が立ちはだかっている。2000人の米国人を対象にしたパーソナルキャピタルの新しい調査によると、インフレに対する懸念(85%)や景気後退に対する懸念(74%)が高まっていることが明らかになった。

失業、雇用の危機、財源の縮小、仕事の将来への疑問などが、感染症の中で圧倒的な不確実性と仕事のストレスを引き起こしている。この調査では、66%が不安を訴え、54%が不確実性が職場でのパフォーマンスや幸福感を損ねていると回答している。

不確実性の心理学


仕事上避けられない不確実性は、私たちの闘争・逃走反応を簡単に呼び起こす。あの職に採用されるのだろうか? 十分な昇給が得られだろうか? 同僚は私のプレゼンテーションを気に入ってくれるだろうか? 本当に好きな仕事に就けるだろうか? 生存のために脳は常に自分の世界を更新し、何が安全で何が安全でないかを判断し続けている。脳は脅威を過大評価し、それに対処する自分の能力を過小評価するようにできているため、確実性を求めてほとんど何でもしてしまうのだ。

人間の脳は、緊張を和らげるためにあれこれ手を尽くして結果知ろうとする。もしすぐそこに何があるかわからなければ、危険から身を守ることはできない。不確実性を軽んじるあまり、一日に何百回となくあらゆる未検証のストーリーをでっち上げるのだ。なにしろ不確実性は危険と同義なのだ。同僚がメッセージに返信してくれない。上司がしかめ面をし思わせぶりの口調で話す。自分は最終候補者ではない。最悪の事態を想定し、脅威を過度に個人的に解釈し、結論を急ぐのだ。

科学者の報告によると、雇用の不安を抱えたままの生活は実際の失業よりも健康に大きな打撃を与え、病気にかかりやすくなり、心臓病や糖尿病、うつ病などの既往の慢性疾患を悪化させるという。雇用不安を抱えながら生活している社員は、実際に職を失った社員よりも健康状態が悪く、うつ病になりやすいという研究結果が出ているのだ。

また、不確実性は、あらかじめわかっているが避けられない痛みよりもストレスになるという研究結果もある。英国の研究者たちは、電気ショックを受ける可能性は50%しかないといわれた被験者よりも、確実に痛い電気ショックを受けるといわれた被験者の方が、気持ちが落ち着いていて動揺も小さいことを発見した。

翻訳=酒匂寛

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