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「ホクレア」

古代から継承される伝統的な航海術で大海原を渡る「ホクレア」。

その乗組員であるデニス・チャンさんに、これまでの航海で得た学びについて伺った。

自然に寄り添う航海術で大海原を渡る「ホクレア」


紀元1100年頃に、タヒチからハワイへの航海でポリネシア人が使用したと考えられている双胴船をアメリカ独立200周年を記念する行事の一環として復元。「ホクレア」と名付けられたその船は、1976年、新たにタヒチを目指してハワイを出発し、以来、40年以上にわたって世界各地へ航海を続けている。

2014年から’17年にかけては18カ国150以上の港に寄港する旅へ出航。ハワイ語で「地球を慈しむ」を意味する“マラマホヌア”を航海名とした7万5000㎞に及ぶ旅路は長編ドキュメンタリー映画『モアナヌイアケア』に収められ、日本でも今年5月の東京を皮切りに各地で上映会が行われている。

その内容は、ハワイのオアフ島ホノルルを起点に南太平洋からインド洋を目指し、南アフリカの喜望峰を越えて、ブラジル、そしてアメリカ東海岸へ。さらにスエズ運河を通って太平洋に戻り、ニュージーランドやタヒチを経由して帰港を目指すという文字どおりの大冒険だった。

途上では、嵐にさらされ、船の損傷に遭いながら、若い世代を交えたクルーたちは力を合わせて次なる目的地を目指し、寄港地では国籍や肌や顔つきの違う人たちと触れ合う様子が描かれている。

もちろん「ホクレア」は“伝統航海カヌー”であるから計器やGPSなどのテクノロジーは搭載していない。全行程を“スターナビゲーション”と呼ばれる古代から継承される航海術で航行していったのだ。

それは、太陽、月、星、風、潮流、海鳥の様子という自然現象を頼りに大海原における自分たちの居場所を割り出し、進むべき方角を見いだす航海術のこと。

あらゆる分野でテクノロジーが重宝される今の時代に、文明の力に頼りすぎず、人に備わる感度を最大限に高め、常に向き合う自然からのメッセージをきちんと読み取ることで、人類発祥の地であるアフリカ大陸まで渡りきったのだ。

写真=Polynesian Voyaging Society 編集・文=小山内 隆

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