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世界を目指す「社内発イノベーション」事例

矢崎総業米国シリコンバレーの“TFTハウス”。筆者が現地にて撮影。

日本の事業会社がシリコンバレーにオフィスを構え、世界中から集まる有力スタートアップに直接投資する、戦略的な提携をするというケースは珍しくない。ただし、シリコンバレーのエコシステムの中で存在感を放ちながら、この地で大きく成功した例は少ない。

その代表的な理由としては、本社と現地スタッフとの温度差、「シリコンバレーの日本人村」で満足してしまう内向き志向、あるいは、シリコンバレーのスタートアップに求めるばかりで、彼らから「価値がない」と見られてしまうといった点が挙げられる。

そんな中、ワイヤーハーネス(自動車用組電線)の世界トップクラスのシェアを誇る自動車部品業界の雄、矢崎総業が2021年、シリコンバレーに新たな拠点を設立した。

矢崎総業は非上場のまま、創業家の矢﨑家を中心に今や世界の「Yazaki」にまで発展した日本を代表するグローバル企業だ。なぜいまシリコンバレーに進出したのか。どんな取り組みを行っているのか。Yazaki North AmericaのTFT(Task Force Team)のメンバーに話を聞いた。


──まずは貴社についてお聞かせください。

弊社は、創業者である矢﨑貞美が1929年に自動車用電線の販売をしたのが事業の始まりです。その後、1941年に矢崎電線工業として今の会社が設立し、以来、矢﨑家が中心となって経営を続け、現在は矢﨑家の四代目が社長として引っ張っています。

会社設立以来約80年間、自動車部品においては世界から技術を高く評価を頂くまでに成長しています。弊社の取り扱う商品群は自動車部品から電線、光ファイバー、空調機器、太陽熱温水器などと多岐にわたり、自社で研究開発から製造販売を行います。特にワイヤーハーネスでは世界トップクラスの地位を頂いています。


Yazaki North Central America, Innovationヴァイスプレジデント, 秋元秀昭氏 

現在は日本を含めて全世界で45か国の国と地域に141(2022年6月20日時点)法人を抱えており、全世界の従業員も24万人にまでのびています。ここ北米ではもう55年間事業を展開してきており、法人数も28に及びます。2021年6月20日決算で売上高は全世界で約1兆6000億円。その内訳は、日本が約38%、北・中・南米が約27%と大きく、次にアジア・欧州・アフリカが続いています。

文=熊谷伸栄

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