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子どもには東大より「スタンフォード大を目指させるべき」? スタンフォード大邦人コーチが見た「日米」のリアル


「入試課との闘い」だったスタンフォード大学での15年間


こんなふうにアメリカのカレッジスポーツ界では、教えることより、リクルーティングが大事と言っても過言ではないのである。実際に、年収10億円を軽く超える有名なヘッドコーチ達がリクルーティングで名をあげて出世していくストーリーは多くある。そしてそれらのストーリーが、武勇伝のようにアメリカのカレッジフットボール界で語り継がれているのである。

2007年から私がスタンフォードで過ごしてきた15年間もまた、リクルーティングを中心にことがまわってきたと言っても過言ではない。それが、最も重要な仕事のうちの一つだからである。

高校生のリクルーティングは、NCAA(全米体育協会=大学生のスポーツとそれに関するビジネスの統括組織)により、厳格にルール化、マネジメントされているため、私のジョブタイトルでは直接リクルーティングに出向くことはできないが、サポートを通して多くのことを学んだ。

そして、そのほとんどのことが、日本ではありえない、想像もできないことばかりなのである。そして、忘れてはいけないのが、ここはスタンフォードだ、ということだ。

ご想像の通り、アスリートとしては素晴らしい能力で、喉から手が出るほど欲しい高校生が、入試課(アドミッションズ・オフィス)の選考によって大学に入れなかったケースを、数えきれないほど目の当たりにしてきた。何があっても、そこを突破しなければならないのは事実なので、入試課とは何度もミーティングやワークショップを重ねて、どのような成績、テストスコア、課外活動、小論文、推薦状がどのように評価されて(あるいはどのように評価されずに)合否の結論が出るのかを学んできたつもりである。私のスタンフォード大学での15年間は、「大学の入試課との闘い」と表現しても過言ではない。

アメリカのカレッジスポーツで、なぜリクルーティングがそんなに大事か?


さて、主題をリクルーティングに戻そう。「どうして、アメリカのカレッジスポーツにおいて、リクルーティングがそんなに大事なのか?」である。

その答えは、簡潔に言えば「育てている時間がないから」だ。

文=河田剛 編集=石井節子

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