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東田:会社を売却した2010年当時、38歳で、疲れきってたのかもしれません。ソウルの街も疲れるし、大きなお金が動く金融業は精神的にもやはり辛かったんだと思います。体調も崩しました。そんな中、韓国でも上限金利が下がるという動きもあり、どれだけ頑張ってもなかなか評価されない業種にいつまで携わり続けなきゃいけないのか、娘もいるのに「あそこのお父さんサラ金屋さんだよ」って言われるのも、と。

だから引退とは言わないけれども、一回やめて、ちょっと休憩する時間が欲しい。それにはニュージーランドが良いのでは、という感じでした。


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中道:でもニュージーランドでゆっくりする時間は、実際はそんなに長くなかったんですか。

東田:長くなかったです。キッカケとなったのは、引っ越した翌2011年の震災です。その時に、きれいな水が欲しいと日本から頼まれて送っていたんです。私自身30代半ば後半で、子どもも小さく、原発のことに敏感な世代でした。

すると、「美味しいからまた送ってくれ」と言われて。「美味しいの?」じゃあ、ちょっとブランディングして売ってみようか、と。

実は、ニュージーランド引っ越したら、かなり酷かった息子のアトピーが全部なくなったんです。息子もソウルでストレスを感じてたのか分かりませんが、シンプルに水と空気がきれいだからだなと思ったんですよ。それを韓国の友人にも届けたい。空気は届けれないけども水だったら届けられる。それで2012年から本格的に「NuZee」という名前の会社で、日本と韓国に水を売るようになりました。

中道:なるほど。そこから「NuZee」って名前が出てくるんですね。でも、ニュージーランドの水を韓国や日本に売っていくところから、今度はアメリカに行くじゃないですか。それはアメリカにチャンスがあると見て、ですか?

東田:水の販売って、なかなか難しいです。まず、私が業界出身ではないから、どこにどうやって売り込むか分からない。とにかく飲食関係・食品関係の会社に売り込みをかけたのですが、商習慣も違ってわからないことだらけでした。

それに、水って差別化が難しいんです。「所詮水は水だ」という認識の人が非常多く、他の商品の違いを明確に見せないと売りにくい。これはなかなか大変だ、こんなところでちまちまやってられないぞ、と。水の市場一番でかいのはアメリカで、じゃあアメリカでやろうと本社を作ったんです。小さくやるより大きくやらないと。

文=小谷紘友 編集=鈴木奈央

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