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生駒:そのくらいの影響力は持ちたいと考えています。ただ、現代は「なぜお酒を飲まなければいけないのか」という議論もあって当然で、僕らもその議論にはしっかり向き合わなければいけません。「酒は百薬の長」という言葉があり、お酒は一定量であれば健康に良い言われていましたが、実際には飲むことによるデメリットの方が大きいとも言われています。

僕たちはそれを理解したうえで、敢えて飲んでくださいと宣伝しているとも言えますが、1946年に発表されたWHOの健康憲章における健康の定義に着想を得て、自分たちの行動を整理しています。健康憲章は意訳になりますが、人類における健康を「心と体の社会性、全てが満ちている状態」としています。つまり、体だけが元気な状態は健康とは呼ばないとも取れます。

同じように、お酒も飲みすぎたら身体に悪影響があるかもしれませんが、人生にお酒があることで、「いい香りだ」「美味しいな」と身体が満たされ、気分が高揚して気持ちがよくなったり、誰かと一緒に楽しむことで社会性が満たされることもある。そして、それこそが健康な状態と言えます。

僕たちとしても、自分たちの仕事が人類の健康に寄与すると理解し、その思いがすべての行動の核にあれば、ブランドとしての振る舞いにも反映され、最終的にはお客様にも広がっていくと。そういう考え方を大事にしています。

中道:素晴らしいですね。今後、世界展開に世界を意識されていると思いますが、どのようなイメージを持っていますか。

生駒:世界中で日本酒を飲める環境や日本酒のファンを増やしていく。経営者的な言い方をすれば、世界規模のビジネスにしていきたいと思っています。

“日本酒”という名前ですが、飲む人だけでなく、作る人や売る人、伝える人、そうした関係人口を世界中に増やし、“世界酒”のように広がる事業を考えています。



中道:『SAKE HUNDRED』を中心に、どんどん広がっていくイメージですか。

生駒:そうですね。市場を大きくする一つの打ち手として、“ラグジュアリー”を入口にアプローチする考えです。

そのために、まず日本酒そのもののブランドイメージを良くしていく必要があります。「安いが美味しくない」のではなく、とっておきの日に飲むような、高級で憧れるイメージを作っていこうと。そこから、他企業が一般向け商品を発売するなどして、裾野が広がっていくような市場形成を考えています。

中道:世界と日本では“ラグジュアリー”への印象に違いがあるかと思います。生駒さんが考えるラグジュアリーとは。

生駒:受け手の印象でも変わってくると思いますが、機能的な価値より、情緒的な価値のイメージです。そして、その言葉は、オーセンティシティという、本物感と結びつきが強いものです。

日本では、1980年代から90年代から受け継がれてきた、対外的に顕示するというステータス的な考えが、今日のラグジュアリーのイメージを形作ってきたはずです。

一方、アメリカやヨーロッパでは捉え方が異なり、内的な充実こそがラグジュアリーだという考えです。要は他人に自慢するためではなく、自分のためにあるんだと。

高価なだけ、美味しいだけではラグジュアリーとは言えない。僕たちとしては、いかに世界におけるラグジュアリーの意味と『SAKE HUNDRED』の魅力や価値を合わせていくかが、大きな挑戦になると考えています。

文=小谷紘友 編集=鈴木奈央

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