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女性の心と身体のことを知って、やさしい社会を考える。

30歳を超えて気力と体力は下り坂。仕事でも20代のような無理がきかなくなってきて、休日に思いきり遊んだ翌日はなんだか心身がぼーっとしてしまう、なんてことも。病気ではないし、誰かに相談するほどのことでもないけれど、なんとなく不調を感じる。ただやり過ごしていくしかないの?

そんな問いに答えてくれたのは、東京女子医科大学附属東洋医学研究所 所長・教授の木村容子先生。生理不順、妊娠出産、更年期……。女性特有の揺らぎや加齢に伴う老化、歳を重ねるたびに増えていく小さな不調に寄り添ってくれる「漢方養生」について教えてもらいました。

体の変化を前提に、適切なケアで老化の速度をゆるめる「ポジティブ・エイジング」


──年齢を重ねるたびに、なんとなく感じる小さな不調が増えている気がしています。そもそも漢方医学の「不調」の捉え方から教えていただけますか?

はい。まず漢方医学は「体は変化していくのが当たり前」で「過去、現在、未来のわたしは同じではない」という考え方を基本としています。日本の漢方医学の基になっている中国伝統医学が発祥した約2000年前から、女性の体は7年ごとに変化があると言われているんです。


(参考:『女40歳から「不調」を感じたら読む本』静山社)

7歳で歯が生え変わって、14歳で月経がはじまり、21歳で女性らしい体になり、28歳で体や性の機能がピークに。35歳で顔がやつれて脱毛がはじまり、42歳で白髪になり、49歳で閉経する、と。つまり、28歳でピークを迎えてからは、気力も体力も下がっていきます。

年齢を重ねて体が変化していく過程で、漢方医学は病気だけではなく、病気と健康の間の「未病」、つまり「なんとなくの不調」にもアプローチしていきます。病気じゃないけれど疲れやすい、肌がくすむ、冷えるといった加齢に伴う老化の症状も治療範囲になります。

ですから小さな不調も「気のせい」「年齢のせい」と片付けずに、漢方治療に詳しい医師にたずねてみてください。対処法はいろいろあるかと思います。

とはいえ、漢方で老化の逆を辿るように「若い頃の状態に戻す」ことはできません。時計の針を戻すことはできないけれど、養生次第で、28歳のピークを超えてからの老化曲線をゆるやかにしていくことはできます。

加齢によって体が変化していくのは当たり前。抵抗はできないけれど、適切なケアを前向きに取り入れて、老化の速度をゆるやかにしていくことを、私は「ポジティブ・エイジング」と呼んで提唱しています。

文=徳 瑠里香 イラスト=遠藤光太

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