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ビジネスリーダーは、世間の注目を浴びている人たちの危機対処から、危機管理に関する本質的な教訓を学ぶことができる場合が多い。最近の例では、英国のボリス・ジョンソン首相だ。ジョンソン首相は保守党が後任を指名した時点で辞任を発表した。

「スキャンダルの連鎖がついにジョンソン首相を追いつめ、24時間で何十人もの閣僚が辞任した。首相官邸外での発言で首相は、これは『痛ましい瞬間』であり、それを避けるために懸命に戦ってきたと述べた」と米ネットメディアのAxiosは報じた。

「辞任の嵐は7月6日朝、サジド・ジャビド保健相とリシ・スナク財務相から始まった。追い打ちをかけたのは、ジョンソン首相が保守党議員クリス・ピンチャーの以前の性的不正行為疑惑を認識していたにもかかわらず、幹部職に任命したことが明らかになったことだ。Axiosによると、「ピンシャーは先週、新たな疑惑が浮上したため辞任した」という。

「仕方がない」


ジョンソン首相が、これほど「膨大な任務」を抱え、「多くのこと」を実現しているときに政権交代するのは特殊だとしながらも、政治の世界では「誰もまったく不可欠な存在ではない」ことを認めた、とフォーブスは報じている。

「首相という『世界一の仕事』を諦めるのは悲しいが、仕方がない。ウェストミンスターでは群れの本能が強い。群れが動けば、動く」。ジョンソン首相はこうも語った。

危機のときにやってはいけないこと


筆者は1月にジョンソン首相の最初の論争「パーティゲート」について書いたが、自ら招いた危機は非常時にやってはいけないことの見本だった。危機管理・広報の専門家は、ジョンソンが辞任に至るまでの危機にどう対処したかについてそれぞれの見解を述べている。

ボストン大学クエストロムビジネススクールでリーダーシップ、交渉術、組織行動を教えるモシェ・コーエンは、ジョンソンの辞任では「危機の際にリーダーとしてやってはいけない格好の例が示されている」という。

「危機的な状況において、人々はリーダーを信頼できることを確かめたがるが、彼の行動はことごとく信頼を損なった。リーダーは危機に際して、首相官邸にこもるのではなく、人々の中にいて、明確で一貫した、真実味のあるコミュニケーションを組織に向けて行う必要がある。これは、政治家の場合と同様、ビジネス上の危機を管理する企業経営者にも当てはまると」コーエンは電子メールで指摘した。

翻訳=溝口慈子

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