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ビジネスリーダーへの忠告をひとつ。消費者があなたの会社を信頼していると思っているのなら、それは思い違いだ。

PwCが米国で実施した新たな調査により、消費者の企業に対する信頼(30%)と、企業経営者が考えるところの「消費者が自社に抱いている信頼」(87%)のあいだには、大きなギャップがあることが明らかになった。

57ポイントもの隔たりは深刻な課題であり、危機的状況に発展しかねない。経営者たちは、自社が実際よりもずっと信頼されていると思い込んでいるのだ。

調査によれば、ある企業を信頼していない消費者は、以下のような行動をとる傾向にある。

・同企業の商品を買わない(71%)

・同企業を他人に勧めない(73%)

・同企業を他人の前で擁護しない(74%)

・同企業を高く評価したり、ポジティブな認識をもったりしない(73%)

・同企業についての情報を、ソーシャルメディアでシェアしない(64%)

こうした結果は、PwCが2021年におこなった調査結果とも符合する。この調査では、消費者の44%が、「信頼できない企業の商品の購入をやめた」と回答した。

PwCは、2022年の調査要旨でこう述べている。「企業は、この亀裂を修復し、ステークホルダーの信頼の輪の中に踏み込む必要がある。たとえステークホルダーの優先順位が、見当違いで気まぐれなものであったとしても、オープンなコミュニケーションを通じて、継続的に信頼を構築することは企業リーダーの責任だ。信頼、あるいは信頼の毀損は、消費者売上や従業員の忠実度に影響を与える」

「リーダーたちは、信頼を醸成し、ステークホルダーに真摯に耳を傾ける積極的な戦略に投資すべきであり、それには、継続的かつオープンな対話が不可欠であることを理解する必要がある」と、PwCは忠告する。

PwCの調査によると、経営者と従業員のあいだに存在する信頼のギャップは、ここまで大きくはない。経営者の84%が、従業員からの信頼は厚いと答えたのに対し、従業員の69%は、自社を深く信頼していると回答した。

昨今の大量離職を生み出した要因のひとつに、従業員の信頼を維持できなくなったことがある可能性は否定できない。調査対象の従業員の71%は、もし経営者を信頼できなくなったら自社を去るだろうと答えた。

PwCのバイスチェアを務めるウェス・ブリッカー(Wes Bricker)は声明で、企業への信頼に関する2つのギャップは、「経営者がこれまで、消費者と従業員からの信頼を向上させるような側面に、時間や努力、資金を投入してこなかったこと」を意味すると述べた。

「企業経営者は、従業員と顧客が何に価値を置き、何が信頼を促進すると考えているかについて認識を改め精緻化することで、結果につながる信頼構築の取り組みに投資できるようになるだろう」と、ブリッカーは述べている。

PwCの調査は、米国で2022年4月28日から5月13日までの期間に、503人の企業経営者、2508人の消費者、2002人の従業員を対象におこなわれた。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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