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中小・スタートアップ企業のためのPRアイデア

Getty Images

今、瀬戸内が観光地として、「世界ブランド」となりつつあるのをご存じだろうか? コロナ前の2019年には、日本で唯一、ニューヨーク・タイムズが選ぶ「行くべき観光地」の第7位に選ばれた。

その背景には瀬戸内ブランドコーポレーション(広島市)によるブランディングがある。事業パートナーである、一般社団法人せとうち観光推進機構(せとうちDMO)とともに、数々の施策を仕掛けてきた。

瀬戸内ブランドコーポレーションは、地域の金融機関19行(山口銀行、伊予銀行、中国銀行など)と、有力企業27社(中国電力、四国電力、JR西日本、JR四国、広島電鉄、両備HDなど)の計46社が参加。瀬戸内エリアの観光産業を“世界水準”にまで高め、盛り上げるために設立された。

同社の井坂晋社長によると、誘致に力を入れているのは海外から訪れる旅慣れた旅行者。

「ベネチアやニューヨーク、パリといった世界的な観光地をすでに一通り旅している方々がターゲットです。ひとつのエリアに長期間滞在する傾向があり、宿泊費にもある程度予算をかけてくださいます」

そういった目の肥えた旅行者を誘致するために注力しているのが、ホテルや観光施設といった「点」ではなく、エリア内のスポットが一体となった「面」での観光開発だ。すべての観光体験を世界水準にまで高めるべく、プロデュースしている。

「地域の観光業を支援する組織は、全国各地に生まれています。ですが、私たちのようにファンド機能までを持つ組織はほとんどありません。資金調達から実行まで一気通貫で支援できるのが、私たちの強みです」

瀬戸田に次々と観光施設がオープン


瀬戸内ブランドコーポレーションの事業は、大きく3つの要素で成り立っている。

ひとつは「せとうち観光活性化ファンド」だ。世界で評価されるような観光施設の建設には、多額の費用を要する。地元の観光事業者が、とても自前で賄える金額ではない。そこで、同社が運営するファンドの資金を用いるのだ。

例えば、広島県と愛媛県の間に浮かぶ生口島(いくちじま)の小さな町・瀬戸田の開発も、このファンドで支援している。広島市内から電車と船を乗り継いで2時間弱かかるこの地に、次々と観光施設を開業させているのだ。

2018年には尾道〜瀬戸田間に、約50台の自転車を積載できるフェリー「サイクルシップ・ラズリ」を就航させた。“サイクリストの聖地”とも呼ばれるしまなみ海道沿いを運航しているため、行きはサイクリング、帰りはフェリーなどと観光の選択肢が広がった。船内では工具を貸し出しており、移動中でも自転車の整備ができる。

2021年には、アマンの創業者・エイドリアン・ゼッカ氏が立ち上げた新ブランド「Azumi」を誘致。明治時代初期に建てられた豪商の邸宅を受け継いだ旅館で、伝統的な趣を残しつつ、現代的な発想で空間を構成している。

さらに2022年4月には、グランピング施設「グランドーム瀬戸内しまなみ」の開発も支援した。ここでは、地元の名産品である瀬戸田レモンを使ったレモンスカッシュ作りなどを体験できる。


2022年4月に開業した「グランドーム瀬戸内しまなみ」

文=下矢一良

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