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フォーブス ジャパン編集部 編集者


人を巻き込むエコシステム


堀江:大きなことを成した人でも、誰もがはじめは小さな共同体からスタートしていますよね。昨今のテクノロジーの進化によってフィジカルな制約が取り払われたにも関わらず、皆さん、特に女性が「自分には学びの場がない」とか「自分にはできない」など自身を縛るようなマインドセットを未だに持っていることを歯がゆく感じます。

それを少しでも取り除くため、現在私は米国大使館の助成金や日本企業からのサポートを受けて、女性および高校生向け起業家プログラム開催のために日本で「Amelias(アメリアス)」という名前で新しく活動を始めました。渋谷区や横浜市、神戸市、札幌市といった日本の地方都市と提携して各地でプログラムを開始しています。シリコンバレーを離れ、日本のスタートアップエコシステムの変革を目指しています。

日本でこのプログラムを成功できたら、アジアの他の国にも、いわゆるマイノリティのコミュニティにも適用できるという可能性を感じています。ネイガーさんは女性が起業家精神を持ったコミュニティを形成するためには何が必要だと思いますか?

ネイガー:女性であれ、地方であれ、それらのコミュニティを作ることは従来の大都市でのコミュニティ形成とは大きく異なると思われがちですが、背景こそ違うものの実際の問題解決アプローチは同じであると感じます。

過去にGoogleと共同で出した報告書で、スタートアップのエコシステムを繫栄させるのに必要な五要素を分解しました。それはtalent(人)、capital(お金)、 density(密度)、culture(文化)、government regulation(政府の規制)の五つであり、この五要素に基づいてエコシステムを分析します。

そしてそれぞれの長短を伸ばし補っていくことでエコシステムを改善してゆくというものなのですが、この分析手法が地方都市またはマイノリティのコミュニティの問題解決にも適用できると考えています。そして各々の地方都市が集まり、長短を補い合えば、大都市に打ち勝つことができると確信しています。

マイノリティコミュニティに関して言えば、コミュニティにはそもそも免疫システムのようなものがあり、マイノリティ、例えば女性であったり少数民族であったりという人々を自然と巻き込んでいこうとする力がある。これはSWでの活動を通じて強く実感したことです。

堀江:コミュニティの持つ力として、人々が実感を持って物事を体験することができるという点もありますよね。

女性起業家向けの私のプログラムを受けた人が、私に強く背中を押されたことで、自分自身で無意識のうちに課していたリミットから解放された、と言ってくれたことがあります。コミュニティにはそういう、人を感化し目を覚まさせる力がある。そこで生まれた信念は消せません。だからこそ、女性起業家のコミュニティを整えること、そして誰もがそういったコミュニティへのアクセスができることが重要だと感じます。

インタビュー、構成=岩坪文子、荒川未緒

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