オフィスへの復帰に注目が集まる中、もうひとつの復帰について考えてみよう。バケーションへの復帰だ(画像クレジット:Getty Images)

空港を訪れたなら、誰でもバケーションシーズンの到来を実感するだろう。そして、荷造りをしているときに聞こえる、心の奥底にある厄介な声も一緒に聞くこととなる。

「まあ……バケーション先でも、ちょっと働かなくちゃいけないな」

「帰ってきたときに困らないように、ほんの少しだけ……」

聞き覚えがあるのでは? 最近の調査によると、なんとアメリカ人の82%が休暇中に仕事をしていることを認めている。本当の意味での「休暇」が喪失されているのは、私たちが常にコストを過小評価し、利益を過大評価しているせいだ。メリアム・ウェブスター辞書には、「バケーション」は「旅行やレクリエーションで家庭やビジネスから離れて過ごす期間」「何かから解放される時間」と定義されている。残念ながら「離れて」と「解放」は、旅先でメールをチェックしているようでは実現できない。仮にそこがプールサイドであったとしてもだ。

ダウンタイムは「あればいい」というものじゃない


真の休みを取らずに頑張り続けると、知らず知らずのうちに脳が疲弊してしまう。私たちの多くは、脳をノートパソコンのように扱っている、何か問題が起きたときだけプラグを抜いて電源を落とすのだ。それ以外の場合は、たまにスリープモードになることもあるが、常にオンになっている。

認知能力を最大限に発揮するためには、回復のための時間が不可欠であることは、科学的に間違いなく証明されている。有意義なダウンタイムがなければ、私たちは脳の最高実力を発揮させることができなくなる。つまり真に評価され、報われるための実力が失われるのだ。

思い切ってメールの存在を忘れてしまう


過激に思えるかもしれないが、完全にプラグを抜くには、ノートパソコンを置いて行き、電子メールのことも忘れるのが一番だ。私たちのチームのあるメンバーは、オフィスを出る際に携帯電話から仕事のメールを削除して、「ちょっとメールを眺めてみようか」という誘惑にかられないようにしている。

もし、本当に緊急事態が発生した場合に送るメッセージプロトコルをチーム内で決めておけば、自信を持って受信トレイを見ないようにすることができる。

休暇後にうまく仕事に戻るための準備を行う


留守中の仕事の流れは止められないが、責任を持ってプラグを抜き、職場復帰の苦労を最小限に抑えるための戦略をご紹介しよう。

1〜2週間前
・不在の間の仕事の進め方について、見取り図を作成する

・簡単に職場復帰できるように、頼りになる同僚、上司、管理者などを決めて復帰初日のミーティングの予定を組んでおく

・チームの主要メンバーに、休暇中の活動や進捗のハイライトをまとめた「休暇中の出来事」メモを作成してもらう

1日前
・休暇中通知(メールなどへの自動返信、各種ステータスの表示)を設定する。組織内と組織外の相手に、それぞれ異なるメッセージを自動返信できることをお忘れなく。メッセージは明確かつ簡潔に。急ぎの場合の別の連絡先を提供する

職場復帰初日
・共有カレンダーに書き込んでおいた予定より1日早く戻ってくることで、割り込みを受けずに静かに追いつくことができる

・事前に設定しておいた職場復帰のためのミーティングを行う

・優先度の高いメールを読み、対応する

・ナレッジマネジメントサイトやコラボレーションスレッド/チャンネルを読む

オフィスへの復帰ばかりに注目が集まる中、もう一つの復帰、つまりバケーションへの復帰についても考える時間を持とう。貴重な時間を最大限に活用し、別のかたちで疲れ果てた状態ではなく、本当にリフレッシュされた状態で戻って来よう。あなたの脳と同僚たちは、そのことに感謝することになるだろう。

翻訳=酒匂寛

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