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mederi 代表取締役 坂梨亜里咲

欧米に比して、日本ではまだ使用者が少ない低用量ピルのサブスクリプションを始め、女性の健康課題を解決するD2Cサービスを提供する「mederi」代表取締役社長、坂梨亜里咲さん。まだ32歳というフレッシュな起業家だが、その半生は意外にも濃い。フェムテック企業らしく、ピンクを基調としたスタイリッシュな自社オフィスで話を伺った。


アイドルを志した宮崎の少女、東京へ。


──坂梨さんは29歳で起業されたんでしたね? 幼いころから起業を志していた……わけではないですよね、きっと(笑)。

そうですね(笑)。私は宮崎県で生まれ育ちましたが、「将来なりたい職業は?」と聞かれたら「アイドル」と答えていました。というのは、宮崎はやはり田舎で、子どもが目指すような女性の職業といえば看護師やデパートの美容部員など……圧倒的に(種類が)少なく見えたんです。そこで私の目は必然的に“テレビの中”へ向かいました。それで、「アイドル」と(笑)。ダンススクールを掛け持ちするなど、レッスンに明け暮れた少女時代でした。

──大学は明治大学に進学されました。

やっぱり東京に出たい、東京に出るならまず進学だ、と思いました。そのころちょうど大学生タレントさんのような存在も脚光を浴びているころだったので、自分にも何かできるのではないかと考えて。読者モデルをやりながら、他校の女子大生と3人組のユニットでデビューも果たしたんですよ。

──初志貫徹!

そうなんです。アイドル的な活動もさせていただき、楽しかったのですが、日本の芸能界での酸いも甘いも知りました。20歳までにブレイクしなかったらやめようと最初から決めていましたし、自分のポテンシャルの限界が見えたようにも感じ、芸能界はハタチで引退。潔く就職活動へシフトチェンジしました。

──ちょうど10年前ですね。就職活動はスムーズでしたか?

いえ、それが全然うまくいかなくて。というか、入りたい会社がなかったのです。悩んだ末に高級ブランドのEC受託運営会社に就職しました。その後、女性キュレーションメディアに転職し、ディレクターから、COO、社長までやらせてもらい、その間にM&Aも経験しました。

──それで、いよいよ起業となるのでしょうか。

積極的に起業したいと考えていたわけではないんです。ただ小~中規模企業での雇われ社長からのネクストステップとは何だろうと考えていたときに、ゼロ→イチを生み出すプロセスが自分にはむいているのかな、と思うようになりました。ちょうど同じタイミングで妊活に悩んでいたこともあり、女性特有の健康課題を解決するフェムテックの分野なら、自分の原体験が活かせるのではないかと考えて。



前澤ファンドが「100億を投資する10人の起業家」に選出


──坂梨さんが6年間妊活されている話は他の記事などでも目にしました。「mederi(メデリ)」は妊活サプリメントのサブスクリプションサービスからスタートしたのでしたね。

はい、妊活サプリからスタートしました。ただ、自分の想いが熱すぎて、良い商品さえ作れば届くと思い込んでいたんです。マーケティングやその他コスト面への配慮が足らず、最初からうまくいったわけではありませんでした。そんなときにターニングポイントとなったのが、前澤友作さん率いる「前澤ファンド」のみなさんとの出会いだったんです。



──前澤ファンド「10人の起業家に100億円プロジェクト」の投資対象に選出されたのですよね。これは大きなニュースにもなりました。

そうなんです!これはまずエントリーに10万円必要でしたので、それなりに本気な4,331社の応募から、最終的に残った14社のひとつとして選んでいただいたというもの。選考中は「前澤ファンド」のチームのみなさんとは週に一度ペース、前澤さんご本人にもプレゼンをさせていただき、疑問点を挙げてもらい、いただいた課題に向き合うという……かなり濃厚な時間でした。新事業の方向性が固まるまで1年ほどかかったでしょうか。私の座右の銘は「継続は力なり」ですが、それでも途中でへこたれそうになる時もありました。

──前澤さん始め、「前澤ファンド」のみなさんは坂梨さんのどこを見込んでくれたのでしょう。

きちんとお聞きしたことがあるわけではないのですが、いろいろ突っ込まれてもブレずに女性の健康課題に取り組みたいと初心を貫いていたことじゃないかな。あとは私の人間性でしょうか(笑)。これは私のことに限らずなんですが、前澤さんはしばしば「人としてのチャーミングさは大事なこと」とお話されています。前澤さんご自身もとてもチャーミングで、かつ私のような者の話にもじっと耳を傾けてくださる真摯な方です。

女性の健康課題に立ち向かうビジョンとミッション


──「前澤ファンド」の教えもあり、まずは事業を絞り込んで再スタートされたのですね。


コロナ禍による特例でオンライン診療が提供しやすくなったタイミングでもあったので、婦人科医とのオンライン診療を経て低用量ピルを販売する「メデリピル」を今年1月からスタートさせています。おかげさまで好評で現在会員は3万8000人です(2022年7月4日現在)。

──ピルの目的や効能は男性にはまだよく理解されていないかもしれません。

男性どころか、同じ女性であってもよくわからないという方がいらっしゃいます。まずピルは、バースコントロール(避妊)のためにだけ飲むものではなくて、生理周期を管理できるため、生理痛やPMSなど生理に関わるトラブルを軽減できるのが特長。ほかにもホルモンバランスの乱れを整えることで肌アレの改善や、卵巣ガン・子宮体ガンのリスクを低下させるなど……ベネフィットが期待できる薬とされています。

現在アメリカでは10代~30代女性の約10%がピルを服用していますが、日本ではまだ数%ほど。これを欧米レベルと同じくするのがmederiの目標です。そのためにはクリニックや医師、関係各社と手を携えていく必要があります。



──今後はどのようにビジネスを拡大させていくのでしょうか。

あるデータによれば、現代女性は初経が早まり、閉経が遅くなっている。晩婚化・晩産化もあって、月経回数が以前の9倍にも増えているというのです。これでは女性の身体は悲鳴をあげてしまいます。この健康課題を解決できるような商材、たとえばですがデリケートゾーンのスキンケアや、癒しのバスタイムアイテムなど同梱できる商品の可能性はいろいろあります。女性が約40年近く付き合う「生理」に向き合った事業を展開しているので、かなり密なコミュニケーションが可能なことが私たちの大きなメリットとなります。


ピンクを基調としたオフィスからわかるように、坂梨さんは大のピンク好き。バッグの中の小物もピンクで統一。

──毎日、とてもお忙しそうですが、お休みの日はどう過ごされていますか。

実は最近まで週末もオフィスへ出勤していました。でもそれでは権限委譲や自分自身の健康のためにもダメだと考えるようになり、最近は努めて休息をとるようにしています。ハマっているのはゴルフ。運動不足も解消の目的も兼ねて週イチで練習し、先日初めてラウンドしたんですよ。

──Forbes JAPAN SALON に期待することとはなんでしょうか?

最近では法人向けピルのサブスクサービスも始めておりますので、女性の健康課題へのソリューションをご相談いただけたらうれしいです。


さかなし・ありさ◎mederi株式会社代表取締役社長。1990年宮崎県生まれ。明治大学卒業後、EC受託運営企業、女性向けキュレーションメディア事業を経て、2019年より現職。

Promoted by Forbes JAPAN SALON / interview & text by Miyako Akiyama / photographs by Kenta Yoshizawa

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