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イーロン・マスク(Photo by Theo Wargo/WireImage)

テスラがドイツとテキサスに建設した新工場は、将来的に生産台数の劇的な増加に寄与することになるが、現状では数十億ドルの損失を出している。同社CEOのイーロン・マスクは、「かまどで現金を燃やしているようなものだ」と表現している。

マスクがこの発言をしたのは、5月31日にテキサス州オースティンのギガファクトリーで行われた、テスラ車オーナーグループとのインタビューでのことだ。6月22日にツイッターに投稿されたインタビュー動画は3部構成のパート3で、他の2つのセグメントは既にツイッターに投稿されていた。

「ベルリンとオースティンの工場は、現金を燃やす巨大な炉のようなものだ。大きな音をたてて現金が燃えている。両工場には、莫大な経費がかかっているが、生産がほとんどないため、数十億ドル規模の損失を出している」とマスクは述べた。



テスラは、この4半期で上海工場の大幅な生産台数減少や、人員削減、不安定な株価などに見舞われた。マスクは、上海のロックダウンによる影響が明らかであったにも関わらず、4月の決算説明会で、第2四半期の業績を楽観視していた。

マスクはインタビューの中で、3月に稼働を開始したベルリン工場は生産台数が予想を下回っているものの、立ち上げ段階としては比較的順調だと述べている。一方、4月に正式オープンしたオースティン工場では、テスラの新型4680バッテリーセルと、モデルYクロスオーバーの価格を抑えることを目的としたストラクチャラル・バッテリーパックの量産に想定以上の時間を要しているという。

「現状、オースティン工場は莫大な赤字を出している。本来は、遥かに多くの台数を生産しているはずだが、わずかな台数しか生産できていないからだ。4680バッテリーセルとストラクチャラル・バッテリーパックの量産に課題を抱えている」とマスクは述べた。

同工場では、他の工場で使用している旧型の2170型リチウムイオン電池に転換しようとしたが、それに必要な部品が中国で止まっていたため、迅速に行うことができなかったという。

マスクのインタビュー動画が投稿された直後、モルガン・スタンレーのアナリストであるAdam Jonasは、テスラの第2四半期販売台数を、当初目標の31万6000台から27万台に引き下げた。

生産台数は減少見通し


3月下旬に始まった新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために中国政府が実施した厳しい規制により、テスラの工場は4月初めに一時的に休止し、5月も大幅な生産調整を余儀なくされた。ロイター通信は、中国乗用車協会のデータに基づき、テスラ工場の生産台数が今月中に通常ベースに戻る可能性があるものの、四半期の生産台数は11万5300台と、1〜3月の17万887台を下回る予定だと報じた。

マスクは、過去10年に渡って工場の操業に関する問題を数多く経験しており、今回の問題も克服できると述べている。

「この問題は早く修復できるが、多くの注意を払う必要がある。生産量を拡大するためには、工場の建設を上回る努力が必要だ。ベルリンの状況も同じだ。ベルリンとオースティンの工場を機能させ、上海工場を通常ベースに戻すことが最大の懸念事項であり、それ以外の問題はとても小さなことだ」とマスクはインタビューで語った。

編集=上田裕資

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