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有望そうなサッカー選手を視察しようと、半日をかけて遠路はるばる出かけたというのに、当の選手は要求レベルに全く達していなかった──これはまさに、スカウトにとっては最低の悪夢だ。だがまもなく、人工知能(AI)がこんな無駄足を防いでくれるようになるかもしれない。

8月に始まる欧州サッカーの2022-23シーズンから、チェルシー、ノッティンガム・フォレスト、オリンピアコスをはじめとする複数のクラブが、「AiSCOUT」と呼ばれるモバイルアプリを導入し、新たな選手の発掘に役立てることになった。

このアプリは、スカウトに対して、サッカー選手の運動能力、認識力、テクニックに関するデータを提供し、選手発掘の精度を高めることを目的にしている。スカウトにアピールしたい選手は、このアプリを使用するクラブが設定した課題を実行している様子を動画に撮り、アップロードする。これらの課題については、現時点でクラブに所属している選手たちも事前に実行しており、これが、スカウト対象となる選手のレベルを判断するベンチマークとなる。

AiSCOUTの最高執行責任者(COO)でスポーツサイエンス部門を統括するリチャード・フェルトン(Richard Felton)は、チェルシーにはこれまでも多くの試合映像が送られてきているが、対戦している相手のレベルがわからない状況では、こうした動画には基本的に意味がなかったと指摘する。だが、現時点でチェルシーに所属している選手を基準にして比較することで、クラブ側は、アプリに動画をアップロードした選手に、さらに詳しくチェックするだけの価値があるか否かを見極められる。

フェルトンによれば、何百万ポンドもの年俸が支払われるプロサッカー選手は、多くのデータをもとに契約が結ばれるが、こうしたデータは、その選手がプロになった後のものしか収集されないという。AiSCOUTアプリはスカウトに対して、アマチュア選手のデータを提供し、現行システムの網にかからない選手を探すことを可能にするものだ。

アプリに掲載される課題は、高速ドリブルから、集中度や反応時間を測定する認識力テストまで、多岐にわたる。これらの課題を実施するために選手が用意するのは、スマートフォン1台、サッカーボール1個、マーカーコーン代わりに使えるもの1組、そして課題を実行できる場所だけだ。

フェルトンによれば、このアプリはさまざまな機種の携帯電話でテストされており、整備の行き届いた人工芝から、岩の間を縫うドリブル、砂混じりのピッチでのハイジャンプなど、さまざまな環境でのプレイに対応しているという。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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