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娯楽目的で大麻(マリフアナ)を使用しても健康にはたいして害がないと考える人が少なくないが、実際はそうではないかもしれない。27日に医学誌「BMJ Open Respiratory Research」に発表された調査研究によると、過去1年に大麻使用歴のある人の入院・救急外来受診率は使用歴のない人に比べ20%超高いことが明らかになった。世界的に広がる大麻合法化の動きに一石を投じる成果になった。

研究ではカナダ人1万5000人超の健康記録を解析。その結果、過去1年に大麻を使用したと申告していた人は、なんらかの理由で入院したり緊急救命室(ER)を受診したりする率が非使用者よりも22%高いことがわかった。この数字は年齢や性別、ほかの健康問題といった要因を考慮に入れたもので、解析はピアレビューも受けている。

入院やER受診の理由は「急性外傷」が15%でもっとも多く、「呼吸障害」(14%)、「胃腸障害」(13%)と続いた。研究チームによると、大麻を使用していた人のほとんどは嗜好品として使った人とみられる。

研究では、大麻使用者の入院・ER受診率は「(統計的に)有意に高い」と指摘。大麻の使用と深刻な健康悪化は相関しており、娯楽目的の大麻使用は「無害ではない」と結論づけている。

ただ、今回の研究はあくまで観察研究であるため、大麻の使用が原因で入院・ER受診率が高まったとまでは言えない点には研究チームも注意を促している。

娯楽用大麻をめぐっては各国で解禁する動きが広がっている。米国では連邦法では依然として禁止されているものの、これまでに19州と首都ワシントンで合法化されており、年内にオクラホマ州などさらに数州で解禁される見通しとなっている。米国民の世論調査でも大麻合法化を支持する人が大多数を占める。

米国の大麻産業は2030年には1000億ドル(約13兆6000億円)規模に成長する見込み。合法大麻の国内販売額は2021年時点でおよそ250億ドル(約3兆3900億円)に達している。

編集=江戸伸禎

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