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腎臓内科医の父のもとに一人っ子として育ったゴクルナスは、数学と生物学が好きだった。バンガロール大学でエンジニアリングの学位を取得した彼女は、米国の大学院に進むことを決め、その事前テストのGREの準備のため、2007年にレヴィーンドランの数学の授業に参加した。「彼の授業は、今まで見たこともないようなアプローチだった」とゴクルナスは言う。

数回のセッションの後、レヴィーンドランは彼女に、クラスを教えるように勧めた。生徒たちとあまり年齢の変わらない彼女は、大人びて見えるようにサリーを着て教壇に立った。

ゴクルナスは、大学院からの返事を待ちながら、さらに授業を続けた。しかし、この経験は、彼女の人生を変える決断につながった。その後、スタンフォード大学やジョンズ・ホプキンス大学からの誘いを断ったゴクルナスは、2008年にByju’sの最初の8人の社員の1人となったのだ。

その1年後に結婚したレヴィーンドランとゴクルナスは、2011年にThink & Learnを共同創業し、その4年後に8~10年生向けにByju’sの学習アプリをリリースした。ユーザー数は急速に増え、2019年には登録生徒数3500万人、有料会員数2.8人に到達した。この数字は、パンデミックの初年度にほぼ倍増した後、今年の年初には1億1500万人と750万人に到達した。Byju’sのオンラインコースの価格は、年間150ドルからとなっている。

しかし、パンデミックが収束に向かう中で、オンライン学習の効果に疑問の声が上がり始めた。バンガロールに本拠を置くエドテックの評価会社Educational InitiativesのCEOのPranav Kothariは、「子どもたちは理解しながら学んでいるだろうか」と問いかける。「生徒の成績が本当に伸びているかどうか、第三者による評価や調査を受ける必要がある」

さらに、インフレが進む中で、親たちは授業のコストに慎重な目を向けるようになり、インドのエドテックの新興企業のVedantuやUnaca-demyなどは、すでにレイオフを行い、業界には変化が訪れている。

しかし、Byjuは「次のステージ」としてハイブリッド・モデルに軸足を移している。同社は2月以降、対面の授業とオンライン講座を組み合わせた「Byju’s学習センター」を全国に100カ所開設し、年内にさらに400カ所を開設する予定だ。目標は、100万人の生徒を登録させて、1万人の教師を雇い、生徒一人当たり月額50ドルを徴収することだとゴクルナスは言う。「今後もこの分野では、デジタルが重要な位置を占めていく」と彼女は付け加えた。

ゴクルナスは、社内では、女性に優しいポリシーの導入を主導し、生理休暇や6カ月の有給の産休、上級幹部とのメンターシッププログラムなどを率いている。「ダイバーシティがないのは、2人の息子と夫の世話に追われる私の家だけだ」と彼女は笑う。また、彼女はNGOとの提携を通じ貧困家庭の学生を支援し、2025年までに500万人の生徒を対象にする予定だったが、すぐに反響があり、その目標を1000万人に押し上げた。

「逆風はビジネスにはつきものだ」と彼女は言う。「ミッションに集中し、世代を超えて影響を与えようとする私たちを、誰も止めることはできない。正しいビジョンと強力なチームに支えられた、革新的なプロダクトがあれば、どんな変化も乗り越えていける」とゴクルナスは語った。

翻訳・編集=上田裕資

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