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フェラーリ 296GTS

フェラーリ・ジャパンは、2022年6月24日に「フェラーリ296GTS」を日本発売した。V6ハイブリッドのパワートレインをオープンボディに搭載した新世代のスポーツカーの日本初公開の場所として選ばれたのは、鈴鹿サーキットだ。

「鈴鹿サーキットを選んだのは、フォーミュラワンのレースで知られていること、そしてフェラーリにとってもなじみの場所だからです」

フェラーリ・ジャパンのフェデリコ・パストレッリ代表取締役社長は、集まったメディアに296GTSを紹介したあと、鈴鹿サーキットを選択した理由を、そう説明してくれた。

 
フェラーリジャパン代表取締役社長、フェデリコ・パストレッリ


発表のあとの週末、ここ鈴鹿サーキットでは、新旧のフェラーリモデルの展示や、サーキットでの走行までと、フェラーリ車オーナーをはじめ、フェラーリのファンのための一大イベントである、フェラーリ・レーシング・デイズが行われる。22年は3年ぶりの開催となる。

このイベントには全国から1000人以上のフェラーリオーナーが集結。本国で22年4月に発表されたばかりの新型車である「296GTS」を肝いりでお披露目するのに、これよりふさわしいタイミングはないかもしれない。

フェラーリ296GTSは、特徴の多いモデルだ。最大のものは、先述のとおり、格納式のルーフをそなえたオープンボディ。わずか14秒でルーフの開閉が行われる。スポーツカーにオープンをつねに期待する北米・西海岸のマーケットでは、大歓迎されるだろう。

フェラーリ、296GTS
2シーターとオープンボディという伝統的なスポーツカーの要素で構成される296GTS

もうひとつは、ハイブリッドエンジン。フェラーリのバッジをもった初の6気筒という2992ccV型6気筒(最高出力663cv、最大トルク740Nm)に電気モーター(出力167cv)を組み合わせて、830cvのシステム出力を発生。最高速度は330km/hに達し、0-100km/h加速はなんと2.9秒と力強い。

なお、電力のみを使うeDriveモードでは後続距離25km。騒音に配慮する必要がある場所ではこのモードを使えば静かにクルマを動かすことができる。

空力が徹底的に追求されているのも、296GTSの特徴。燃費とともに、高速での車体の浮き上がりを防ぐためのスポイラーなど、科学的に煮詰められている。

296GTSの魅力は、もうひとつ、審美性の高さ。うんと低いノーズから、リアに向かってのウェッジシェイプが強調されていて、エンジンを載せたリアのボリューム感はグラマラスだ。

フェラーリ、296GTS
V12やV8よりもさらに小型のV6エンジンを搭載したことで、車両全体をコンパクトにデザイン。ショートホイールベース化による回頭性の高さに加え、低重心によるアジリティの高さを実現した

フェラーリによると、「1963年の250LM(ルマン24時間レースでの優勝をめざして開発された高性能でかつ美しいスポーツカー)といった名車を巧みに参照して」デザインしたそうだ。

またこの296GTSでは「アセットフィオラノ」と呼ばれるスペシャルパッケージが用意され。特別な内外装や軽量パーツ、さらに空力モディファイパーツなども選べるので、ユーザーがフェラーリに期待する内容によって要求に応えられるようになっている。

フェラーリ、296GTS
ボディ後端がぐっとせり上がったようにも見えるグラマラスなフォルムも特徴だ

「フェラーリとしては、いままで自分に縁がないと思っていた若い世代にも乗ってほしいと思っています。世界的にもユーザーの若返りが進んでいるので、フェラーリとは誰に対してもオープンなブランドだということを知ってもらいたいです」

前出のパストレッリ代表取締役社長は、そう語ってくれた。スポーツカーとは若返りの特効薬とはよく言われることだが、ビジネスマンが気分をリフレッシュさせるのにもとてもよい。いいドライブこそ、精神のために最上の手段なのだ。

Text by Fumio Ogawa / Edit by Tsuzumi Aoyama

フェラーリエンツォ・フェラーリ

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