ラファエル・オウザン(Photo by Charles Eshelman/Getty Images for AOL)

イスラエル出身の起業家ラファエル・オウザン(Raphael Ouzan)は、「インパクトのある製品を開発するためには、高いパフォーマンスを発揮するチームが必要だ」という考えから、2020年初めに「A.Team」を立ち上げた。同社は、優秀なフリーランスの技術者を集め、大規模なプロジェクトを紹介することを目指している。A.Teamでは、これまでにワクチン製造ソフトウェアから学習アプリまで、様々な製品の開発プロジェクトを仲介してきた。

A.Teamは5月17日、ステルスモードを脱却し、Tiger Global ManagementとInsight Partners、Spruce Capital Partnersが共同で主導したシリーズAラウンドで5500万ドル(約70億円)を調達したと発表した。このラウンドには、ジェイ・Zが設立したRoc NationのVC部門や、リーダーシップ論で知られるアダム・グラントなどの著名な投資家も参加した。オウザンによると、同社を利用している200社の中には、マグロウヒルやリフト、ペプシコなどの大手企業が含まれるという。

A.Teamのビジネスモデルは、ハリウッドのプロデューサーが才能あるスタッフや俳優を集めて映画を作るのに似ている。同社は、一流の人材にスキルに見合ったプロジェクトを紹介している。

「我々は、もともとプラットフォームに登録したくなかった人たちのためにプラットフォームを設計している」とオウザンは話す。彼は、かつて個人向け金融スタートアップ「BillGuard」を設立し、2016年にフォーブスのイスラエル版「30アンダー30」に選出された。

A.Teamに登録しているエンジニアたちは、オウザンが「ハイレベルなチャレンジ」と呼ぶプロジェクトに参画できると同時に、週平均20時間業務に従事して時給130ドルを稼ぐことができる。現在、同社のプラットフォームには、4000人以上のプロフェッショナルが登録しており、新規登録希望者は毎月500人を超えるという。

テック業界の「採用」に訪れる変化


A.Teamは、ソフトウェアエンジニアやマーケッター、デザイナーなどのユーザー向けにコミュニティを形成し、彼らが12〜18ヶ月間チームとして1つのプロジェクトに取り組めるようにしている。また、フリーランサーたちは、コワーキングスペースで他のチームメンバーに会ったり、A.Teamのアドバイザリーボードやネットワークにアクセスすることができる。

「会社を辞めてフリーランサーになる人にとっての問題は、サポートが何もないことだ。FiverrやUpworkは、副業として副収入を得たい人には最適だが、スキルが高く、高給取りのプロフェッショナルには別のプラットホームが必要だ」とオウザンは言う。

移動式コーヒーショップを運営するBlank Streetの共同創業者であるVinay Mendaは、アプリやロイヤリティプログラムを構築する際、A.Teamを利用してフリーランスの人材を探した。Mendaは、プロジェクトごとに特定の分野の専門家を柔軟に雇える点や、最適な人材を迅速かつ効率的に採用できる点が気に入ったという。

A.Team型のモデルが普及した場合、最も影響を受けるのは、テック人材を正社員として採用したい企業になりそうだ。「今後、業界特化型のフリーランスサイトが次々と誕生し、大きく成長するだろう。その結果、フルタイムで企業に勤務したいと考えるテック人材は引き続き不足するだろう」とHireologyのRobinsonは述べた。

編集=上田裕資

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