Analyzing tech stocks through the prism of cultural change.

Photo by Matthew Horwood/Getty Images

自動車セクターは、電気自動車(EV)への全面的な移行のさなかにある。そして、いざ実行に移すとなると、このプロセスが予想よりも難しかったことが判明しつつある。

フォード・モーターの幹部は2022年6月14日、同社のEVについて、5万台近くをリコールすることを明らかにした。バッテリーのオーバーヒートにより、該当の乗用車およびトラックが推進力を失う恐れがあるためだという。

フォードにとってこのリコールは、これ以上ないほど悪いタイミングでの発表となった。ミシガン州デトロイトに本拠を置く同社は、最も人気のある車種の一つである電気駆動の新型ピックアップトラック「F-150ライトニング」の増産に向けて、準備を進めているところだった。フォードは4月に、さまざまな仕様のF-150ライトニングについて、当初の目標から275%増となる15万台生産するとの計画を打ち出していた。

3万9974ドルから9万ドルと、幅広い価格帯で販売されるF-150ライトニングは、自動車関連メディアから非常に高い評価を受けている。ベースモデルですら、静止状態から時速60マイル(約96km)までの加速時間はわずか数秒で、牽引能力も7700ポンド(約3.5t)にのぼる。さらにライトニングには、通常タイプの電源コンセントが11基装備されており、テーブルソーやエアーコンプレッサー、溶接器具などを使いたい建設業者の相棒として最適な車両だ。

一方、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事によると、フォードの乗用車EV「マスタング・マッハE」の4万8924台という今回のリコール台数は、過去2年間に米国市場向けに生産された同車種の車両ほぼすべてに相当するという。さらに悪いことに、このリコールによって、技術者が問題の解決方法を探るあいだ、新たなEVの出荷もストップするとみられる。リコール車については、ソフトウェアのアップデート版が、7月中にリリースされる予定だ。

フォードによるEV不具合への対応の遅れは、ゼネラルモーターズ(GM)の「シボレー・ボルト」をめぐる騒動が長期化した一件と、奇妙なまでに似通っている。完全電気駆動のサブコンパクトカーであるボルトは、GMの大衆市場向けEVとして位置付けられていた。前途有望に見えたボルトだったが、それも、この車に搭載されたリチウムイオン電池が発火する事故が立て続けに発生した結果、2021年8月に14万1000台がリコールされるまでの話だった。

技術者たちが解決策を探るあいだ、何百人もの工場従業員が自宅待機を命じられ、生産ラインも閉鎖されたと、ワシントン・ポスト紙の記事は伝えている。

最終的にこの問題は解決したが、損害を防ぐことはできなかった。ボルトの電池を製造したLG化学とLG電子は、リコール費用のうち19億ドルを負担することで合意した。

GMは2022年6月、2023年式のボルトを従来の価格から18%値下げし、2万6595ドルという手頃な価格で販売すると発表した。しかし、この値下げをもってしても、GMは、EV業界をリードするテスラに追いつくのは非常に難しい状況だ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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