I cover young people doing big things

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米国で粉ミルク不足の問題が報じられる中、以前からこの問題の解決に取り組んでいた2人の女性起業家たちがいる。ローラ・カッツ(Laura Katz)とミシェル・エッガー(Michelle Egger)らは、いつか粉ミルク不足が生じることを想定し、それぞれ別の企業を立ち上げて、代替ミルクを開発してきた。

カッツが設立した「Helaina」と、エッガーが設立した「BioMilq(バイオミルク)」は、両社ともFDA(米食品医薬品局)からの認可取得に数年を要する見込みだが、2000万ドル以上を調達している。BioMilqには、ビル・ゲイツなどの著名な投資家が出資している。

2人とも29歳のカッツとエッガーは、母乳よりも便利で、粉ミルクより健康的な代替品を提供しようとしている。

カッツがHelainaのアイデアを思いついたのは、まだ親になることを考える前の23歳のときのことだ。当時、ニューヨーク大学で食品科学を学んでいた彼女はポッドキャスト番組「Reply-All」で、ネットで知り合った身元不詳の人物から母乳を購入する母親についての話を聞いたという。

彼女は、人工母乳の開発にまだ誰も成功していないことを知り、自分がそれを最初に実現しようと考え、Helainaを創業した。

カッツは、精密発酵(酵母を発酵させて母乳タンパク質を生成するプロセス)を利用して、科学的に母乳を製造・販売することに取り組んだ。

「粉ミルク不足の問題は、この分野にイノベーションが求められていることを示している。我々は、粉ミルクをより母乳に近いものにしようとしている」とカッツは話す。

Helaina は、これまでにSpark CapitalやSiam Capitalなどから総額2500万ドル(約32億円)を調達している。ニューヨーク市内にある研究所では、30名が開発にあたり、初期の臨床試験を実施中という。彼女は、製品の投入時期について明らかにしなかったが、Helainaが米国市場で90%のシェアを握るアボットやネスレ、ペリゴ、レキットベンキーザーの4社による寡占状態を覆すことができると考えている。

ニューヨーク大学でカッツを指導したStefani Bardinは、「食料システムに存在するギャップを埋める上で、テクノロジーの活用は有効だ。ただし、メーカーは代替製品を開発するにあたり、慎重にプロセスを管理せねばならない」と述べた。彼女は、食事代替飲料メーカーのソイレント(Soylent)が、何度も製品回収に追い込まれた例を挙げた。

編集=上田裕資

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