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Forbes JAPANが創造する、エグゼクティブクラスの新たなコミュニティ

Clamppy 代表取締役 大江剛

得意のウェブマーケティングを基軸に事業を広げ、士業と不動産の領域をクロスさせる独自の展開を見せるClamppy。その代表取締役を務める大江 剛氏は、Forbes JAPAN SALONのメンバーという顔ももつ。ビジネスの先に思い描くビジョンや想い、そしてサロンへの期待を聞いた。


すべては士業における広告事業展開から始まった


──今日は東京・築地のオフィスにお伺いさせていただきましたが、まず会社の事業についてご紹介いただけますか?

Clamppyは士業×ウェブマーケティング×不動産の3領域において、大きく2軸で事業を展開しています。一つは創業当初から手がけているウェブマーケティング。特に士業に特化していて、主に弁護士、税理士、司法書士などがクライアントとなっています。全国に1,500を超えるクライアントが存在し、ウェブを通じた集客のお手伝いをしています。

もう一つは不動産事業です。普通の不動産ではなく、どちらかというと相続トラブルや破産のトラブルから出てきたような、法律的に少し難点のある物件を当社で購入し、法律的な部分をクリアにしてから世の中に流通させるということをしています。

──専門的かつニッチな分野のようですが、なぜそこに特化されたのでしょう?



ウェブの方でいうと、弁護士の業界はもともと広告規制があって宣伝ができなかったという背景があります。そのデメリットとして、世の中の人が弁護士にアクセスする方法があまりないという状況でした。借金や離婚、相続の問題というのは、なかなか知り合いには聞きにくいですよね。それなのに、どこで弁護士を探していいか分からないという状況だったのです。創業時、我々はそこにビジネスチャンスがあり、かつ人の役に立てるのではないかと考えたのです。

時が来て、ようやく広告規制が緩和されましたが、弁護士の先生たちはどうやって広告で集客していいのかが分からない。探す方も探し方が分からない。ようやく広告を通じて問い合わせが来たとしても、それにきちんと答えて受注に繋げたり、あるいは改善のための検証ということができている会社はまだ滅多になかったんです。15年近くも前のことですが、その両方から見た時に、ここにこそビジネスチャンスがあるな! と考えたわけです。そこでまず、弁護士専用のウェブマーケティング会社を立ち上げ、徐々に領域を広げていきました。

──大江さんは創業以前、どんなバックグランドをおもちだったのでしょうか?

前に勤めていたのはSEOやリスティングを手がけるウェブマーケティング会社で、営業本部長として40人くらいの部下を束ねていました。領域は重なっていますが、前の会社では幅広くさまざまな業種を請け負っていたところを、当社では士業に絞りました。



──Clamppyの強みはどんなところにあるのでしょうか。

僕のほかにもう一人、寺田真吾という代表がいまして、彼はマーケティング畑出身なんです。営業はできるけれど商材はつくれない会社もあれば、商材はあるけれど営業ができないみたいな会社がありますが、うちはその両方を得意としているところが強みでしょうか。

──いい凸凹コンビなのですね。社内の組織や人員配置は、どのような体制になっているのでしょうか?

営業とマーケティングチームが半々くらいで、そこにバックオフィスの事務がいるという感じです。

相続トラブル不動産の分野で、わずか4期目にして国内トップクラスに


──最近のビジネス情勢についてお聞かせいただけますか?

士業の領域でいうと、弁護士のお客様にはだいぶ認知が行き渡ったのですが、そのせいで新規の営業先が枯渇してきました。とはいえ、そうなってくることは数年後前から予測できていたので、新しい事業領域を探していたんです。せっかくこれだけ弁護士や税理士のお客様がいらっしゃるので、身近な事業のチャンスということで、新たに相続トラブル不動産に特化した事業に乗り出しました。まだ4期目なのですが、この分野におけるトップクラスの座にいます。



──問題意識や市場の知識があって、この分野に特化しようと思ったのでしょうか?

不動産の分野に参入するにあたって、どういうところにビジネスチャンスがあるのかと、いろいろな弁護士の先生たちと話していくなかで、相続トラブルから不動産に悩みをもっている人が非常に多くいるという事実に突き当たったんです。そこに特化することで、いい位置を取れのだと思っています。

──そして、相続トラブルの一つである共有名義不動産の本を自ら書くほどのオーソリティになってしまったと。



三平聡史先生は、共有物分割訴訟関連のスペシャリストで、この領域の法律においては一番詳しい先生だと思っています。もともとうちの不動産の顧問弁護士を務めてくださっていたご縁で、この4月に僕が著者として出版する本の監修をお願いしました。『共有名義不動産 トラブルになったら最初に読む本』というタイトルになります。

──一般の人に向けた本ですか?

はい。残念な事実ですが、いま日本では多くの兄弟姉妹間で、共有名義不動産に関する揉めごとが起きています。揉めた際に読んでもらえれば役に立つような解消方法を、分かりやすさにこだわって書きました。法律の本を読んでも、分からない専門用語ばかりじゃないですか。そこのところを、誰にでも分かるような平易な言葉遣いにこだわってまとめました。問題解決のためには売ってしまいましょうというのが解決方法の一つです。

我々は不動産会社の立場として、今まで手がけてきた事例も挙げながら、そのノウハウを伝える内容としています。実際この種の分野において、当社では月に百数十件もの問い合わせをいただいています。そこで多く出てくる内容をQ & Aスタイルでまとめてあるので、どなたにでも役に立つ部分を見つけていただけるのではないでしょうか。

──Clamppyの業務は、つまり共有名義不動産問題で揉めている兄弟姉妹の保有する不動産の、どちらかの権利を買い取るということなのでしょうか?



そうです。揉めていて、もうこれ以上相手と関わりたくないという方の権利を我々が買って、泥沼の話し合いから抜けてもらうというところが、第一の人助けになります。

──マニュアル通りにやれない、ケースバイケースの難しいお仕事ですね。

ええ。でもこれを解消しておかないまま、さらに子どもに相続してしまうと、今度は従兄弟同士で一つの土地をもって、固定資産税だけ払うという最悪な状態に陥ってしまいます。

──相談が来るタイミングは、やはり親御さんが亡くなられた後ということになりますか?

一番多いのは、親が亡くなって、土地を相続して、数年間保有していくうちに、兄弟姉妹のうちの一人しか住んでいないのに税金を一緒に払わないといけなかったり、お金が必要なのに土地を売ることが出来ないのはおかしいではないか? といった不満が噴出してくるタイミングです。親が亡くなってから数年間、もやもやと溜まったストレスが爆発してしまうと、せっかく仲が良かった兄弟姉妹の関係が損なわれてしまうという悲劇に陥ってしまうのです。

──大変な仕事ですが、解決した後は大いに感謝されますね。

ゆえにやりがいがありますが、我々に相談が来てから解決するまでに1年くらいはざらにかかるので、本当に苦労が絶えません。こういう案件がどこから出てくるのかというと、当社のお客様である弁護士さんからまず相談があります。ウェブマーケティングと不動産というと、まったく反対側にあるような気がしなくもないでしょうが、実は非常にシナジーがあって、この事業モデルは当社にしかできないという自負をもつに至っています。

──やはり人から感謝されることが、大江さんのモチベーションになっているのでしょうか?



はい。弁護士の先生たちの役にも立ち、また相続で困っている人の問題解決にも一役買えるということで、単純に人のために何かできて良かったなと思えることが、背中を押してくれています。見ていると、僕だけでなく従業員たちも、やはりお客様からの「ありがとう」の一言がやりがいに繋がっているようですね。

何より大事なのは誠実であること


──大江さんのなかで、仕事においてここだけは譲れないというようなこだわりはなんなのでしょうか?

ウェブの広告のような仕事をやっていると、つい目先の利益を取りに行きがちなのですが、当社はたとえ弁護士向けのメディアに広告を載せたいという話があっても、場合によってはお断りすることもあるんです。弁護士に問い合わせをしてくる人は、当然自分が通える範囲で見ているわけですから、同じエリアで広告掲載を取りすぎてしまうと、結果としてユーザーからの問い合わせが割れてしまって、お客様に満足する成果をお返しできないというケースも出てきてしまいます。そこで、ここのエリアは事務所を幾つまでにしようとか、あくまで弁護士の先生本位に広告の枠を設けるように気を配って営業しています。



うちの従業員も、営業成績だけを考えれば、広告を載せたいと言っているなら載せましょうとなりがちですが、そこはきっちりと話をして理解してもらっています。「たとえ短期的な売上は出ても、思ったほどの成果が出ず、結果として2年目に辞めてしまうというような事例が発生し、そのことが口コミなどで広がっていくと、結局誰も得しないよね?」というふうにちゃんと伝えると、みんな理解してくれます。そういう意味では、一番譲れない価値観は「誠実」であることかもしれません。お問い合わせに対しても、決して大きく話すことなく、実態で話すようにと教育していますから、従業員も誠実に対応してくれています。

──Clamppyの成長は、その誠実さの積み重ねの上にあるのですね。では、これからの目標は?

いまは、既存の事業を伸ばしていくことが目標です。僕らのような中小企業で回せる事業は限られています。だからこそ、できることを弁えたうえで、ウェブマーケティングと不動産の二つの事業を伸ばしていこうという方針です。「士業×ウェブマーケティング×不動産」の領域を、まだまだ掘り下げていきたいですね。

──そのためには、どんな従業員や仲間を育てていきたいですか? 

当社は士業とのパートナーシップを重んじているので、誰に会いに行っても恥ずかしくないような人格。かつ先生方と対等にお話しすることができて、不動産の専門知識にも長けている――そんな誠実さとプロ知識、そして人間的魅力のある従業員を育てていきたいと思います。

意外な趣味の先にある夢とは


──仕事に対する誠実さという考えのうえでは、身だしなみも大事な要素になりますね。大江社長も、お見受けしたところ、エルメネジルド・ゼニアのスーツで時計もIWCという、上質を弁えながらも決して華美にならない、素敵なスタイルをおもちですね。



普段はもう少しラフなのですが(笑)。でも時計は好きで、幾つか使い分けています。

──仕事以外に好きなこと、ご趣味はなんなのでしょうか?

お酒、ゴルフ、野球です。

──野球はご自身でもプレーされるのでしょうか?

恥ずかしながら、やらないです。僕は観る専門なんです。年間20試合くらいは野球場に行って観戦していますね。実はどこのチームにも詳しくて、というか、選手に関する情報を集めたり分析したりするのが好きなんですね。どこのチームのファンに会っても、そのチームのファンのふりをして喋れるのが特技かもしれません(笑)。

──応援する選手との交流などもあるのでしょうか?

少数ですがあります。もっと事業で成功して、もっと彼らを応援できるようになりたいですね。

──男のロマンですね。

はい。そうなれたら最高に張り合いがあるし、幸せですね!

Forbes JAPAN SALONに期待すること


──ところで、大江さんがForbes JAPAN SALONのメンバーになられた理由は何なのでしょうか?

実は人見知りで、交流会というのは苦手だったんですが、面白そうだと思ったんです。交流会に実際に参加してみて素晴らしいなと思ったのが、多くの方がご自分で事業をされているじゃないですか。なるほど、こんな事業があるんだとか、こういう考えでこういう事業をされているんだとか、お会いして話す方からいつも刺激をもらうんです。名刺交換をする人がつまらなかったら嫌だなと思っていたのですが、毎回ワクワクしている自分がいます。

でも、実は最初ちょっと戸惑ったことがあって、皆さんぱっと見たところ、服装とか雰囲気とかが洗練されていて、逆に何をなさっている方なのかが話してみないと分からない(笑)。僕が生きてきた世界は、それこそ弁護士さんばかりだったので、これまでに出会ったことのない職業の方たちと会ってお話しするときに、サロンに入って良かったなとしみじみ思いますね。

もう一つ、定例会のトークセッションもすごく勉強になります。前回の「資産運用」の話も目から鱗でしたし、その前の「SDGs」のトピックも考えさせられるところが多かった。これからもサロンを通じて、見識を広げていけたらいいですね。


おおえ・つよし◎1983年生まれ。 大学卒業後、フリーランスを経てIT ベンチャー企業に入社。3年間、営業本部長として従事。2013年には弁護士、税理士、司法書士など士業事務所専門のWEB マーケティング会社である株式会社Clamppyを設立、同社は現在では全国で1,500事務所以上の集客サポートを行う企業に成長。2018年3月には共有名義不動産に特化した株式会社クランピーリアルエステートを設立。年間1,200件を超える「共有名義不動産」についての相談が寄せられ、弁護士や司法書士と連携することで多数のトラブルを解決に結びつけている。

著書『共有名義不動産』(東峰書房刊)



Promoted by Forbes JAPAN SALON / interview & text by Shigekazu Ohno(lefthands) / photographs by Takao Ota

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