挑戦する人と挑戦する企業をつなぐ、Forbes JAPAN 初の採用ブランディング

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昨今、欧米を中心にしたスタートアップ界で旋風を巻き起こしている「Eコマースアグリゲーター」という新業態をご存じだろうか。

AmazonなどのEコマースプラットフォームに出店する中小企業や個人事業主(以下、セラー)を積極的に買収し、そのブランドの成長を一括して担うビジネスモデルのことだ。ここ2年半で欧米を中心とした同業態のスタートアップが、累計150億ドルの調達に成功しており、設立からわずか14カ月でユニコーンの仲間入りを果たす企業も出るなど、昨今急速に注目が高まっている。

日本における参入企業はまだ少ないが、昨年7月、ついに国内初となる専業Eコマースアグリゲーターが誕生した。その名は、forest。

同社は昨年のシードステージで既に約9億円の調達を完了。現時点で複数社のブランド買収および運営を行なっており、高い期待が寄せられている。

代表取締役の湯原伸悟は、外資系投資銀行やPEファンドでの経験が長く、公認会計士資格も保有する。また、全国展開する小売企業で経営全般に携わるとともに、Eコマースの再構築・強化を主導してきた経験がある。

彼はEコマースアグリゲーターという新しいビジネスにどのような勝算を見出したのだろうか。

廃業も拡大も困難──悩めるセラーの前に開かれた“第三の道”


そもそもEコマースアグリゲーターというビジネスモデルは、どのような背景から生まれたのだろうか。

ここ10年の間に、楽天やAmazonといったEコマースプラットフォームを活用してスモールビジネスを成功させるセラーが急増した。数億円規模の売上を立てている個人または数名規模のセラーは珍しくはないが、成功したセラーたちは近年ある分岐点に直面しているのだと、湯原は言う。

「毎年数億円規模で売り上げているセラーは、既にオペレーションにかなりの手間がかかっているケースが多いです。止めればこれまでの努力が水の泡になってしまいますが、さらに事業を伸ばそうとすると更なるお金や人が必要になる。事業継続を個人で続けるか、会社を立ち上げてさらに事業規模を拡大するか......。これは数億円規模に到達したセラーが直面する共通の課題です。

そんな中『自分たちに代わってブランドをもっと伸ばしてくれる人がいるのなら、ブランドを譲渡して新しいことを始めたい』と思っているセラーは、決して少なくはありません」

セラーの中には、単に商品を安く仕入れて高く売るのではなく、自ら商品を企画開発し、情熱を持ってものづくりに取り組んでいる人もいる。

そうしたクリエイター気質の強い人ならば、オペレーションは得意な人に任せ、自分はもっとものづくりだけに集中したいと考えるのも無理はないだろう。

そこでEコマースアグリゲーターの出番だ。

ブランドを譲渡すればまとまった資金が手に入るので、セラーはそれを元手に新しいチャレンジを始められる。その上、大切に育ててきたブランドは消えることなく、さらに成長し多くの人の元に届く。

今まで八方塞がりの状況に置かれていたセラーの目の前に、“第三の道”を開く──。Eコマースアグリゲーターとは、そのような役割を持つ存在なのだ。

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幼い頃から、クリエイターへ尊敬の念を持っていた


EコマースアグリゲーターはM&A後は自社ブランドとして、ブランドマネジメントを担う。

このブランドマネジメントに関して、湯原たちは単なるECプラットフォームのハックや広告活用にとどまらず、かなり幅広い業務を手掛けている。

「僕らがM&A後に行なうのは『総合的なブランドマネジメント』です。マーケティングの強化はさることながら、国内の複数のECプラットフォームに展開して販売を拡大し、さらに越境ECも活用していきます。英語圏展開とともに、巨大ですが複雑なEC市場の中国へも海外展開を行ないます。

そのほかにも、継続的な商品改善や消費者ニーズを汲み込んだ新商品の開発、製造および物流の最適化を目的としたサプライチェーン改善、さらには為替対応やデータサイエンスを活用したデータ分析など、多面的なアプローチによってブランドを成長させていきます」

単にM&Aを成立させるだけではなく、自ら買い取ったブランドを責任を持って育てていく。そんなビジネスモデルの存在を湯原が知ったのは、今から1年半前のこと。起業の背景には、ある個人的な動機があった。

湯原は幼い頃から美しい作品を見ることが大好きだった。自分にものづくりの才能はなかったが、だからこそ頭の中のイメージを形にできるクリエイターを心から尊敬していたのだ。

その一方で、ものづくりの才能を持つ人たちは金銭的に苦労するケースが多いことも知っていた。長い間、内装デザインの会社を経営する父が働く姿を、すぐそばで見てきたからだ。

「父は何カ月もかけて一つの作品を作っていました。全国的に有名なファストフード店の内装を手掛けていましたが、その報酬は父の労力に見合った金額とは到底思えなかった。その実態を知った時から『ものをつくる人たちが経済的に恵まれない状況を何とかしたい』という想いが、ずっと自分の中にあったんです」

そんな湯原がEコマースアグリゲーターの存在を知った瞬間、運命の針が静かに動き出した。

このビジネスなら、これまで培ってきた経験を活かして、クリエイターのためになる活動ができる。その確信は、湯原を迷うことなく起業家の道へと導いていった。

「ガラパゴス・日本」。独特な感性への理解が、成功への鍵


ものづくりが得意な日本には、優れた商品を扱うセラーが数多く存在する。そして日本は、世界で4番目に大きなEコマース市場だ。海外のEコマースアグリゲーターたちが、本格参入のチャンスを狙っていないはずがない。

しかし、湯原には勝算がある。その根拠は日本のEコマース市場の特殊性にあるという。

「日本を含む東アジアのM&Aには“情緒的”な側面があって、合理性だけでは動かないんですね。“高く売れればいい”ではなく、事業や社員の未来も考える人が多く、結婚や養子縁組に似ていると言えますね」

日本人にとってみれば当たり前のようだが、外国には「お金を積めば売ってもらえる」と考える企業も多いと言う。

「また、日本の楽天やYahoo!ショッピングの運営方法や、消費者の思考回路も独特なんです。欧米とは異なる日本人の考え方を本当に理解した人でなければ、日本でこのビジネスをするのは難しいでしょう」

日本人の感性に寄り添ったサービスを提供することで、外資系企業との差別化を狙う湯原たち。しかも同社には投資やM&Aのエキスパートが揃っており、M&Aの税務・法務に関する知見は国内随一と言える。こうしたforestの元には、既に大切なブランドを預けようと決めたセラーたちがいる。

今年の1月には、山口県で再生可能エネルギー事業を営む中小企業、岩国再生エネルギーからペット用品販売事業を買収した。5月には、青森県在住の個人事業主のセラーが一人で育ててきた「CAMP GREEB」というキャンプ用品ブランドを譲り受けた。後者に関しては、セラーは商品開発担当として引き続き事業に参画している。

「一人でビジネスをするのは大変ですし、何より孤独ですよね。このセラーの方も、何らかの形で他の人と一緒にやりたいと以前から考えていたそうです。譲渡成立後は『今までよりも商品開発に集中できるようになった』と喜んでくださっています」

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ものづくりに熱意を注ぐ人が豊かになる、健全な経済を


現在、forestが主な買収対象としているのは、Amazonや楽天などのECプラットフォームで一定の売上を上げている「モールフィット型」のセラーだ。

しかし近い将来には、自社ECで商品を販売するセラーにも裾野を広げたいと考えている。DtoCの市場規模はプラットフォーム市場に比べるとまだ小さいが、湯原が本来支援したいと考えているクリエイターは自社ECを使用しているケースも多いからだ。

そのために、まずはモールフィット型のセラーの買収で基盤づくりをし、次に自社EC型の商品も取り入れていく。そして、日本の地場産業/伝統産業がEコマースを通じて売上を作れるプラットフォームとなり、中小企業の事業継続・技術継承を支えていく。その先では、日本を代表するEコマース企業としてのナスダック市場への上場を目指している。壮大な夢へと向かう道のりには、どんな人材が必要だと湯原は考えているのだろうか。

「M&Aのチームに関しては、自分がプリンシパルとして投資に関わりたいと思っている人ですね。同時に、投資経験だけでなく、マーケティングや商品開発などの、リアルビジネスの知識を身に付けたいと思っている人。ブランド購入時は徹底的に分析を行なうので、リテールのビジネスモデルに詳しくなります」

一方、ブランドマネジメントのチームに関しても、スキルの幅が広がるというメリットは共通している。

「責任を持ってブランドを育ててもらうために、ブランドマネージャーには投資検討のプロセスにも途中から参加してもらいます。買収後は、ブランドマネージャーとして、売上成長のみならず、サプライチェーンの領域に取り組んだり、データの分析・活用を行なう中で、スキルの幅は圧倒的に広がるでしょう。

ただ、我々は現時点で完全な方法論を持っているわけではありません。ブランドマネジメントの仕組みを一緒に作り上げていくことを楽しめる人に参加していただけたら嬉しいです」

湯原はこれまで培ってきた知見を、自分が尊敬するクリエイターたちのために使おうとしている。forestに集まるのは、そんな湯原の姿勢に共感する人々なのだろう。

彼らの仕事はお金の新たな流れを作り出し、ものづくりに熱意を注ぐ人の新たな挑戦へと繋がっていく。彼らが豊かに暮らし、健全な経済を創出することにも繋がる。自らの進む道を信じて疑わない湯原の志は、日本のクリエイターの未来を明るく照らしている。

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