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また、ローカライズ化の3つ目の重要な要素であるリメイクの必然性については、奇しくもコロナ禍の状況が実現を後押ししたそうです。

「コロナ禍で制限されている生活を送っているなか、香港の人々は以前よりも笑いを求めているなと思いました。温かい愛と笑いに包まれたドラマを観ている時間は、少なくとも幸せな気持ちで過ごすことができます」と語るトミー・ロー氏ですが、彼にとっても香港の人たちにとっても、まさにリメイクは「必然」だったのです。

「このドラマを視ることで、その時間が香港の人たちにとって救いになるんじゃないか」ともロー氏は考えたそうです。そして、まさにそれはこのロー氏が意図していた香港版「おっさんずラブ」のコンセプトでもありました。香港人にとって見るべきドラマとして、つくられたのです。

「オリジナル版を20回以上も視聴した」


「おっさんずラブ」の香港リメイク版は、2021年6月28日から7月16日まで、香港のテレビ局ViuTVで「大叔的愛」(「おっさんずラブ」の現地語訳)というタイトルで放送され、同局ドラマ史上過去最高の視聴率を記録するほどの大ヒットとなりました。

香港リメイク版のキャストに大きな注目が集まり、春田役のイードン・ルイも牧役のアンソン・ローも見事に役柄にハマり、大好評を得ました。部長役のケニー・ウォンの振り切った演技も、本家の吉田鋼太郎に勝るとも劣らず、素晴らしいものでした。

ヴィクトリア・ハーバーなど香港の絶景を活かしたロケ地選びも成功の要因になりました。「香港らしさを感じさせる場所を敢えて選び、それをストーリーに盛り込んでいきました。とはいえ、香港リメイク版の成功はオリジナルがあってこそのことです」とロー氏は語ります。


(c)viuTV

国際的なコンテンツ市場においても、「おっさんずラブ」の初の海外リメイクが成功を遂げたことは高く評価され、2022年3月にオンライン上で開催されたアジア最大級のコンテンツ見本市「香港フィルマート」でも大きく取り上げられました。

文=長谷川朋子 

映画
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