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ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座

シャンパーニュの三ツ星レストランにて、それぞれの料理に各造り手の泡のシャンパーニュと甘口ワインのラタフィアが合わせられた

シャンパーニュは泡のワインで有名な産地だが、それしか知らないのでは勿体ない。辛口のスティルワインや、今回紹介するラタフィア・シャンプノワ(Ratafia Champenois)という甘口のお酒も造られている。

まだ肌寒い日が続く4月半ば、シャンパーニュ地方のミシュラン三つ星レストラン「ラシエット・シャンプノワーズ(L’Assiette Champenoise)」で、ラタフィアの造り手たちとシェフのアルノー・ラルマン氏によるペアリングディナーが開催され、食後酒やデザートワインとしてだけではなく、食中に料理と一緒に楽しむという、ラタフィアの可能性が提案された。

ラタフィアとは?


ラタフィアは、アルコール発酵途中のブドウ果汁にブランデーなどの蒸留酒を添加して造られる酒精強化ワインだ。高アルコールの蒸留酒の添加により発酵を途中で止めることで、ブドウ本来の糖分が残った甘口のワインとなり、さらに蒸留酒が加わるため、最終的なアルコール度数は通常のワインより高くなる。

ラタフィアには、泡のシャンパーニュには規定上使うことができないワインを使うこともでき、また、途中で加えられる蒸留酒は、シャンパーニュのブドウの搾りかすやシャンパーニュに使われなかったワインで造られる。このため、ある造り手は、「ラタフィアは、100%シャンパーニュ産のもので作られ、シャンパーニュ造りの副産物や再利用を活かすなど、無駄がなくエコフレンドリーなのです」と言う。


シャンパーニュ・デュマンザン(Champagne Dumangin)のジル・デュマンザン氏

ラタフィアに情熱をかける、シャンパーニュ・デュマンザン(Champagne Dumangin)の5代目当主のジル氏は、「18歳の頃、祖父が造った1930年代のラタフィアを飲み、60年の時を経ても輝く、その品質や熟成の可能性に魅了されました」と熱を込める。彼は、様々な試行錯誤を続け、現在ではスタイルが異なる6種類ものラタフィアを造っている。

ジル氏はこう続ける。「ラタフィアは、単体でも美味しいですが、前菜やメインを問わず、色々な食事に合わせることができます。また、香り高く、料理のソース作りに適しています」


Champagne Dumanginのジル氏は、6種類ものラタフィアを造る。この「Craft」は、北ローヌのエルミタージュのワインで使用された樽で、6~9年の長い期間熟成される

三ツ星のシェフはどんな料理と合わせる?


ラシエット・シャンプノワでのディナーでは、それぞれの料理に異なるスタイルのラタフィアが組み合わせられた。

例えば、川魚のタルタルの前菜にはシャルドネだけで作る、軽やかでフレッシュ感のあるジュリアン・ショパン(Julien Chopin)のラタフィアが選ばれ、ビーツのタルトには、アンリ・ジロー(Henri Giraud)のラタフィアが合わせられた。

アンリ・ジローのワインは黒ブドウ主体で、樽熟成による力強さとエレガンスを兼ね備えたものだが、「Solera 90-13」というラタフィアは1990年から2013年の複数年のワインを継ぎ足しながら樽熟成させたリザーヴワインのブレンドだ。酸化的なニュアンス、キャラメルナッツやトフィー、ドライフルーツの濃密なフレーバーが特徴で、複雑な味わいが楽しめる。


アンリ・ジロー(Henri Giraud)のラタフィア「Solera 90-13」

文=島悠里 写真=島悠里、ワイナリー提供

ワイン
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