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ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

カミーユ・バスケス弁護士(Getty Images)

俳優のジョニー・デップが女優で元妻のアンバー・ハードを名誉棄損で訴えた裁判が1カ月以上にわたって続いていたが、このほど判決を迎えた。

この裁判は、2018年アンバー・ハードがワシントンポストに、自分が家庭内暴力や性虐待の犠牲者(力のある者に密室で性暴力を受ける:#MeTooムーブメントの被害者)であると書いた記事をめぐってのものであり、陪審員はアンバー・ハードの書いた内容が嘘であると認定、ジョニー・デップに対して約20億円を支払えという判決を出した。

当初、この裁判は、有名俳優夫婦の私生活が法廷でつまびらかにされるというゴシップ根性によって注目されたが、逆に言えばその程度の盛り上がりでしかなかった。アンバー・ハードは女優としては上昇株とはいえ超有名とは言えなかったし、ジョニー・デップもアンバーの記事によって多くの映画を降ろされ、近年は仕事も芳しくなかった。

ところが、裁判が後半になるにつれ、裁判そのものがドラマ化した。社会問題である#MeTooムーブメントをめぐる裁判であり、また当事者たちがセレブリティであることを加味しても、全米がこれほどまでに盛り上がった裁判もひさしぶりだ。

その盛り上がりの中心となったのが、原告のジョニー・デップを担当した37歳の女性弁護士、カミーユ・バスケスだ。彼女自身の人気が日々急上昇し、当事者以上に注目を浴びてセレブリティになっていく経緯を視聴者が目撃するという不思議な展開を見せた裁判だった。

20分間に40回もの「異議」を出す


ジョニー・デップの勝因について多くのジャーナリストや弁護士たちがカメラの前でいまも熱く語っているが、それらはほぼ共通して、カミーユ・バスケス弁護士がアンバー・ハードの嘘を証言台で自認させるまでに追い込んだこと、またアンバーの弁護士に異議を激しく連発して圧倒的に優勢に立ったことを挙げている。

嘘の1つは、アンバー・ハードが、ジョニー・デップとの離婚で手にした財産分与の約7億円を、チャリティに寄付すると表明しながら5年経った現在もまだしていないことだった。しかも、それを証言台で追い込まれたアンバー本人が認めてしまったのだ。

文=長野 慶太

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