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世界が直面する課題の解決方法


企業のウェルビーイングへの取り組み


ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点が浸透する中、組織、人事戦略および事業運営にウェルビーイングの概念を取り入れる企業も出てきています。企業が人や従業員をどのように扱っているかも重要な指標として捉えられているのでしょう。世界経済フォーラムのESG指標に関する報告書では、「人」をESG指標の柱の一つとしており、健康や幸福を含むとされています。

ウェルビーイングを意識している企業のひとつに、楽天があります。「コレクティブ・ウェルビーイング」に関するガイドラインやチェックリストのツールを開発し、CWO(Chief Well-Being Officer)というめずらしい役職を設け、企業文化醸成の中核にウェルビーイングを据えています。

また、日立製作所から独立したハピネスプラネットは、個人と組織のハピネス向上を目的としたソフトウェア・サービスの提供に取り組んでいます。同社は、従業員の心を重要な「資本」として捉え、例えば、従業員の行動学的データに基づき、従業員のハピネスに焦点を当てたソリューションを提供しています。また、経営方針と従業員の業務および行動のギャップを埋めるため、経営方針をブレイクダウンし、従業員を巻き込み、モニタリングする試みも行っています。

日本政府の取り組み


政府も、幸福度の向上や、新たな産業やサービスを生み出す上で、科学的根拠を重視しています。幸福度の自己申告では、日本は先進国の中で下位に位置していることも踏まえ(G7諸国の中で最低の幸福度)、幸福度をより科学的に測定また理解するための取り組みが始まっているのです。

内閣府科学技術・イノベーション事務局によるプロジェクト「Moonshot」型研究開発制度では、「2050年までに、こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現する」ことを目標に掲げています。この取り組みでは、自殺やうつ病が深刻化する中、心のやすらぎや活力を高める技術やサービスの実現を目指し、精神的に豊かな状態を実現するための技術等の研究も加速しています。

また、科学技術振興機構(JST)は、「ひとの幸福な状態を計測・評価する技術に基づく新サービスの創出」をテーマに、研究を行っています。この研究の大きな目的は、「経済の成長に最適化された社会」から、「個人に最適化された社会」への転換とされ、研究の世界でも、ウェルビーイングは重要なテーマのひとつと捉えられています。

文=Makiko Eda, Chief Representative Officer, Japan, World Economic Forum Tokyo

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