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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

ワインには、シャンパーニュ(仏)やスプマンテ(伊)、カバ(西)などその国を代表するスパークリングワインがある。美しい泡が立ちのぼるスパークリングは、その見た目の華やかさとのど越しのよさから乾杯酒として選ばれることが 多い。一方で日本酒はどうだろうか。鮨や懐石など日本料理の店であっても、「まずは一杯」という口開けに日本酒を選ぶ人はまだ少ない。それはなぜかといえば、やはり日本酒が発泡していないからではないか。

そこへ、世界的に著名な料理人であるアラン・デュカスが自らの名を冠した日本酒を共同開発したと聞こえてきた。しかもスパークリングだ。デュカスといえば1990年に当時史上最年少でミシュラン三つ星を獲得し、世界で30ものレストランを擁するグラン(偉大な)シェフだ。その彼がこの酒を各店舗でオンリストし、乾杯の一杯、もしくは食中酒としてリコメンドしてくれたなら、それは日本酒を広く世界へアピールする場にもなるだろう。しかし、フランス料理と日本酒をどう合わせるのか。また、シャンパーニュと比肩する華やかさを日本酒は果たしてもてるのだろうか。

その難題に取り組み、見事に応えたのは山梨銘醸(山梨県北杜市)だ。創業は1750年、2014年より高品質なスパークリング日本酒に取り組む老舗酒蔵である。甲斐駒ヶ岳の清冽な伏流水で仕込む「七賢スパークリング」は、そのシルキーな泡立ちと、繊細な香りで人気を博してきた。

今回、デュカスおよび彼の腹心である「デュカス・パリ」のシェフソムリエ、ジェラール・マルジョンと対話を重ねた末に生まれた「ALAIN DUCASSE SPARKLINGSAKE」は、従来の「七賢スパークリング」同様に瓶内二次発酵製法を採用。きめ細やかな泡立ちを保ちながら、水の代わりに一部日本酒で仕込み、桜樽で熟成させるというユニークな製法をとっている。そのおかげだろうか、口に含むとみずみずしい食感のなかにもふわりとさくらんぼを感じるような、優美な味わいのスパークリングだ。

この酒に合わせて前菜をすすめる「べージュ アラン・デュカス 東京」小島景シェフは「テロワールを意識し、同じ山梨県白州産のキノコを使用しました。お酒の中にほのかに感じるミネラルをアワビに合わせ、山と海を感じさせる一皿です」と語る。山梨の酒と食材が手を携え、デュカスが心の故郷とあおぐ地中海へと船出していくような……そんな幸福な予感をもたらすペアリングであった。

アラン・デュカス スパークリング サケ
容量 720ml
度数 12度
価格 5000円(税別)

今宵の一杯はここで


BEIGE ALAIN DUCASSE TOKYO

アラン・デュカス シャネル銀座ビルの上階に、天井を高くとり優美に広がる空間。アラン・デュカスが、最も信頼するシェフのひとりである小島景シェフによるフランス料理は、その代名詞ともなった鎌倉野菜をはじめ、厳しい目で選ばれた食材が伝統的 でありながらモダンな一皿となって供されるスタイルに定評がある。フランス産を中心に600本ものワインコレクションは一見の価値あり。


15年を仏で過ごしデュカスの信頼も厚い小島シェフ。


「蝦夷鮑と白州山の水農場の茸」は¥16000~コース内のひと皿。



住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング10F
Tel. 03-5159-5500
営業時間:11:30〜16:00(14:00 LO)・ 18:00〜23:00(20:00 LO)
定休:月・火、夏季と年末年始の不定休

photographs by Yuji Kanno | text and edit by Miyako Akiyama

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