エミリー・ワイス(Photo by Paul Morigi/Getty Images)

ビューティーブランド「Glossier(グロシエ)」の創設者のエミリー・ワイスは5月24日、同社のCEOを退くと発表した。同社は数カ月前に大規模なレイオフを実施していた。

ワイスは、コール・ハーンやナイキの元幹部のカイル・リーヒーを後任のCEOに指名し、自らは会長職にとどまると述べた。

現在37歳の彼女は、「会社を去るわけではない」と述べ、Glossierの創業者としての役割や、自身が愛する分野により多くの時間を注ごうとしているとインスタグラムに投稿した。Glossierは2022年1月に、全社員の3分の1にあたる80人以上の従業員を削減したが、ワイスはその理由を、同社がコアビジネス以外の分野に手を広げすぎた結果だと説明していた。

ワイスは24日の声明の中で、彼女の後任を務めるリーヒーが、ブランドの「新たな方向性のインスピレーションを与えてくれた」と述べている。

フォーブスは、Glossierが2014年の設立以来、累計2億6600万ドル(約337億円)を調達したと試算している。同社の2021年7月時点の評価額は18億ドルだった。

元ティーンモデルのワイスは、ヴォーグに勤務していた2010年に「Into the Gloss」というファッションブログを立ち上げ、このサイトが人気を博した後にベンチャーキャピタルから200万ドルを調達してEコマースサイトの「Glossier.com」を設立した。

2014年にフォーブスの「30アンダー30」に選出されたワイスは、ミレニアル世代の女性起業家としてメデイアの注目を集め、カリスマ的な存在と讃えられた。Glossierのサイトは当初、シンプルな美容製品のみを扱い、キム・カーダシアンなどのセレブを宣伝に起用した。

売上のほとんどはオンラインからだったが、実店舗にも注力を進め、事業を急拡大させたGlossierが、困難に直面したのは2020年8月のことだった。元従業員が「Outta The Gloss」と題したインスタグラムの投稿で、社内の人種差別や有害な職場環境を暴露したことで、同社のイメージは急激に悪化し、不買運動が起こった。

ワイスはこの苦情を受けて公式に謝罪した。Glossierはまた、パンデミックの影響でいくつかの都市で店舗を閉鎖し、小売店の従業員らを解雇した。そして今年に入り同社は、社員の削減を余儀なくされたと発表した。

ワイスは、社内向けのEメールで、会社が「特定のプロダクトを優先させた結果、コアビジネスがおろそかになった」と述べ、「これらの失策は私の責任だ」と付け加えていた。

編集=上田裕資

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