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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介


──固定化を崩すことは、ウェルビーイング経営においても必要ですか。


ドミニク:人と組織がよりよくあるうえで重要なのは、「動的」であることだ。人間はそもそも動的な生き物だ。にもかかわらず、禁止事項や年功序列のルールなどで凝り固められると人や集団は柔軟さを失い、変化に対応できなくなる。

ウェルビーイングな組織をつくるには、心理的安全性の担保が欠かせない。その際に大切なのは、社員一人ひとりが既存のルールや職場を更新していける環境だ。新たな行動変容を促すポジティブなルールがあり、そのルールを社員自らダイナミックに更新できること。組織をよりよく変えられるという感覚を共有していること。失敗や試行錯誤に前向きであること。こうした環境なくしてウェルビーイング経営はできない。

組織ではいま、リモート環境のなかでも喜びやストレスを他者とどう分かち合い、よい関係性につなげるのかが問われている。まずは、経験豊かな管理職の発言のほうが若手社員よりも正しいといった、組織の前提を崩すことから始めるべきだろう。ベテランも新入社員も、従来の価値観や正解に縛られることなく互いに学び合い、動的かつ自律的に仕事に取り組むなかで各々が想像もしなかった地点に到達する。新たな驚きや喜びをともにつくる感覚を共有することで、組織は心理的安全性にあふれたウェルビーイングな状態に近づくことができる。


ドミニク・チェン◎博士(学際情報学)。特定NPO法人クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事、ディヴィデュアル共同創業者を経て現職。テクノロジーと人間の関係性を研究。著書に『未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために』(新潮社)など。

文=瀬戸久美子

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