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ニューヨーク在住ジャーナリスト / NYC-based Journalist

コリン・ブライアー ワーキング・バックワーズ共同設立者 (Courtesy of Colin Bryar)

世界最強企業ともいわれ、異例のスピードで成長を遂げた米アマゾン・ドット・コム。その組織、仕組みを支援してきた、創業者ジェフ・ベゾスの参謀が語る「組織」「働き方」論とは。


いまや敵なしの巨大テック企業、米アマゾン・ドット・コム──。

ジェフ・ベゾスは2021年夏、最高経営責任者(CEO)を退いたが、「ジェフの影」と呼ばれた男がいる。ベストセラー『アマゾンの最強の働き方──Working Backwards』(ダイヤモンド社)の共著者で、元経営参謀のコリン・ブライアーだ。1998〜2010年のアマゾンの成長に貢献した彼が、同社の成功の秘密を語る。

──アマゾンの成功を支える4つの企業文化的理念について教えてください。

コリン・ブライアー(以下、ブライアー):1つ目は、競合他社ではなく、「顧客にこだわる」ことだ。ジェフ・ベゾスには、顧客と株主の長期的利益は完全に一致するという信念がある。

2つ目が「長期的発想」だ。アマゾンは、今四半期のみの好決算を目指すようなことはしない。年ベースで解決策を探ることで、顧客にとって持続的な不朽の価値を築くための新たな道が開ける。

3つ目が、失敗の可能性を踏まえて「何かを創造する情熱」だ。「うまくいくとわかっているなら、それは実験ではない」というのがジェフの口癖だ。

4つ目が、プロとして誇れるような「優れた運営」を行うこと。そのためには、細部にまで気を配る。顧客のニーズに応えることはコスト削減にもなる。不備があれば、問い合わせが増えるからだ。

不備の根本原因を分析し、「なぜ?」という問いと答えを5回繰り返す。いわゆる「ファイブ・ホワイ(Why)」だ。これは、トヨタの問題検証手法「なぜなぜ分析」を参考にしている。

アマゾンには16カ条の「リーダーシップ・プリンシプル」があるが、7つ目は、「最高水準の追求」だ。リーダーは、自らにもチームにも高水準を求める。プリンシプルは、その場にジェフがいなくても、リーダーが日々実践することで効果が拡大していく行動規範だ。

16項目の「行動規範」


──リーダーシップ・プリンシプルについて、詳しく教えてください。

ブライアー:アンディ・ジャシーのCEO就任(注:昨年7月、就任)を機に、アマゾンの本質的価値を示すプリンシプルが2つ増え、16項目になった。

リーダーシップ・プリンシプルのパワフルな点は、これを礎にあらゆる日常のプロセスが構築されることだ。採用や生み出す製品の決定、顧客対応など、すべてにプリンシプルが織り込まれている。

例えば、会議で素早い決断が必要な場合、上級幹部が同席していなくても、プリンシプルを念頭に置けば、難しい決断を下しやすい。実用的で一貫したフレームワークは質の高い決定を可能にする。

インタビュー=肥田美佐子

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