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人的資本経営の重要性が高まり、企業の経営戦略、人材戦略に新たな潮流が生まれている。組織と人の「ありかた」を問い直す動きはどこに向かうのか。


戦略も組織も『人』に従う時代になるかもしれない」

そう語るのは、ボストン コンサルティンググループ(BCG)・パートナー&アソシエイトディレクターの日置圭介だ。いま、改めて、「人材」に注目が集まっている。キーワードは、人を企業のコストではなく、企業価値向上の源泉として投資対象とする「人的資本」。そして、人材を最重要の資本ととらえる「人的資本経営」への関心の高まりだ。

リクルートの「人的資本経営の潮流と論点2022」によると、世界的に人的資本が注目される背景には、次の4つの視点があるという。1つは、株主資本主義からステークホルダー資本主義へ、ESGや持続的な社会づくりに向けたコミットメントの動きといった「社会的視点」。2つめは、投資家の判断指標において非財務資産が大きく影響し、企業価値の源泉が財務資産から徐々に非財務資産に移行している「経済的視点」。

3つめが、DXを含めた産業構造の転換期においてイノベーション創出が必要な企業にとって、イノベーション創出人材がいきいきと創造的に働く環境の整備といった「戦略的視点」。最後は、Z世代、アルファ世代のように社会的な感性が高い人材の獲得、そして新しい世代の価値観である社会的・倫理的な価値観をいかに企業経営に織り込むか、といった「世代価値観の視点」だ。

日本では、20年9月に経済産業省から公表された「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書〜人材版伊藤レポート〜」が契機となった。14年に発表され、コーポレートガバナンス改革をけん引した「伊藤レポート」と同名称がついた報告書で、「人的資本経営の重要性」「人材戦略と経営戦略の連動」を提唱。

人材マネジメントの目的は、「人的資源・管理」から「人的資本・価値創造へ」、イニシアチブについては「人事部」から「経営陣/取締役会」へと変革の方向性を示し、市場からの関心もあり、人的資本経営という言葉が一気に広まった。

また、人的資本の情報開示についても、21年6月に改訂されたコーポレートガバナンスコードに「人的資本や知的財産への投資等について経営戦略との整合性を意識しつつわかりやすく具体的に情報を開示・提供すべき」とある。政府は22年夏をめどに、人的資本の情報開示指針の策定を進めている。世界を見ると、国際標準化機構(ISO)が18年に策定した、人的資本開示指針「ISO30414」などの規格がある。

文=フォーブスジャパン編集部

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