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谷村圭造 アサヒグループホールディングス 取締役 兼 執行役員 CHRO

グローバル企業として打ち出した「新たな理念」をいかに具現化するか。積極的な人材戦略を打ち出すアサヒグループホールディングス・谷村圭造の解は。


日本、欧州、オセアニア、東南アジアとグローバル展開するアサヒグループホールディングス。過半数が海外社員となるなどグローバル化が進むなかで、2019年にはグループの新しい理念である「Asahi Group Philosophy(AGP)」を施行。そして、21年にはグループ人事基本方針である「ピープルステートメント」を策定した。20年3月からCHRO(最高人事責任者)を務める谷村圭造は、どのように「理念の具現化」を進めていくのか。

──CHROの役割とは。

「会社と個人の成長を両立する企業風土の醸成」だ。グループの新しい理念である「AGP」をCHROとしていかに、実践し、具現化していくか。いわゆる「理念の具現化」だ。もうひとつは、グローバルに、あらゆるステークホルダーとコラボレーションする「協働の具現化」だ。

そのためには、「人的資本の高度化」「エンゲージメントの向上」が必要だ。「人的資本の高度化」とは、社員一人ひとりに能力を最大限に発揮してもらい、社員自身が未来に向かって進化してもらうことだ。極端だが、社員のエンゲージメントが高くない状態で、能力を最大限に発揮してもらっても、持続的な経営にはつながらない。この2つを正しく両立させていくのがCHROの責務だろう。

──「理念の具現化」の事例は。

21年3月に、「ピープルステートメント」を策定した。「学び、成長し、そして共にやり遂げる」だ。アサヒグループが目指す働き方を明文化した。4つの柱、「セーフティ&ウエルビーイング」「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」「学習する組織」「コラボレーション」を立てた。

目的は、グループの求心力をグローバルでつくるためだ。いまでは3万人を超える社員の過半数は日本以外。働き方のよりどころになる人の考え方を言葉にした。「ピープルステートメント」をつくることで、「AGP」がより生かせるようになる。

──策定のポイントは。

最初から海外の人事担当たちと協働でつくった点だ。グループ全体のものは、本社だけでは難しい。施策はローカルにブレークダウンされる人事領域で、グローバルで同じテーブルに乗って策定したことは大きい。

現在は、4つの柱のうちDE&Iから進めている。ステートメントを策定し、「shine AS YOU ARE」という「自分らしく、輝く」を意味するコアメッセージもつくった。効果として感じるひとつは、DE&Iというレンズを通すことで変化が目に見えるかたちで出てきたことだ。エネルギーのある社員の能力を解き放ち、より輝いてもらうために、ピープルステートメントをアクションプランやKPI(重要業績指標)、評価、報酬制度、研修などに落とし込みたい。

それができれば、事業ポートフォリオの変化などにも対応でき、かつ、社員もいきいきと成長できるのではないか。企業風土は進化させていくものだ。だからこそ、仕組みをつくることが必要だ。

文=フォーブス ジャパン編集部 写真=ヤン・ブース

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