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地方発イノベーションの秘訣

森山未來(右から2番目)とアーティスト・イン・レジデンスを始動させた仲間たち

美術や演劇、ダンスなどといった分野の芸術家が、日常の空間から離れた場所に一定期間滞在し、新たな環境で創作活動を行う。またはそれを支援する活動は「アーティスト・イン・レジデンス(artist in residence)」と呼ばれている。

芸術家たちはその土地の歴史や文化を調べ、住民たちとも交流しながら、作品づくりや創作のためのリサーチを行う。このような手法をとることで優れた作品ができあがるので、芸術家の育成につながるとともに、芸術家を受け入れた地域にとっても異文化の流入という普段では得られない新たな刺激がもたらされる。

11年前の森山の体験から生まれた


神戸市でも4月13日に「アーティスト・イン・レジデンス」に関する発表があった。俳優でダンサーでもある森山未來をはじめとするメンバーが記者会見を開いて、神戸市北野地区にある昭和30年代に建てられた外国人向けの賃貸マンションをリノベーションして「アーティスト・イン・レジデンス」の拠点にするとしたのだ。

森山の提案に同意した5人のメンバーはチームを結成し、このマンションの2フロア、約260平方メートルを借り上げて、アーティストたちに無償で提供。常時8人から10人ほどが滞在できるようにするという。

神戸には、かつての生糸検査所をを改修したデザイン・アートの拠点「デザイン・クリエイティブセンター神戸(愛称:KIITO/キイト)」や、阪神・淡路大震災で火災に襲われた新長田にあるコンテンポラリーダンス(現代舞踊)の拠点「ダンスボックス」など、芸術家の活動拠点が多い。

これらの拠点で活動するために神戸を訪れたアーティストたちが、北野の宿泊施設を拠点に滞在して、創作活動ができる仕組みをつくろうと考えたというわけだ。将来的には、世界各国からここでの滞在を希望するアーティストを募ることも考えているという。

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4月13日に外国人マンションで行われた記者会見

日本国内でもこのところ、各地の自治体や芸術施設の管理者などが、滞在できる施設を用意して、海外からも含めて優れたアーティストたちを招き「アーティスト・イン・レジデンス」を展開しようとしている。

しかし、今回、特筆するべきなのは、アーティスト側である森山未來からこの提案がされたということだ。11年前に海外で「アーティスト・イン・レジデンス」を初めて体験したという森山は次のように語る。

文=多名部重則

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