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ビッグデータの活用が、さまざまな分野で進んでいるが、世界中で増え続ける膨大なデータをいかに分析し、活用していくか。

世界50カ国にネットワークを展開するGfKの日本法人・代表取締役である藤林義晃に、Forbes JAPAN Web編集長・谷本有香が話を聞いた。


膨大なデータから必要なデータを導き出す


谷本有香(以下、谷本):日本の企業は、データの活用が苦手であるといままで言われてきました。グローバルでリサーチ&マーケティング業界をけん引している御社からは、どのようにご覧になりますか。

藤林義晃(以下、藤林):企業文化にも左右されるでしょうね。データを信用せず、自分たちの足で稼いだ情報を信じる企業も残ってはいますが、この5、6年で急速に変化しています。ビッグデータを活用してマーケットを分析、最適な施策を打つ企業が増え、データの活用が新たな価値の創造や社会的課題を解決する有効なものとして定着してきていると感じます。

その一方で、データオーバーロード、つまりデータが過剰にあることで、膨大なデータからいかに自分たちに必要なデータを導き出し、効率よく分析して使うかということに企業の関心が移っているように感じます。

また、データ量が飛躍的に増えていることに加え、ビジネスのスピードも加速度的にアップし、いままでのようなサイクルでデータを分析して施策を考えるのでは対応できない時代が来ています。近年、先が読めないVUCAの時代になったといわれていますが、その中で有効な対応策を考えると、PDCAをいかにスピードを上げて回していくかということが非常に重要になってきます。

谷本:データの選び方とスピードが重要ということですね。では、良質なデータの選び方、集約の仕方に何かコツはあるのでしょうか。

藤林:私たちは長年、小売店の販売データをデータベース化し、クライアントに提供してきました。2000年代前半には、ほぼグローバル全体のデータを入手できるシステムをつくり上げています。そういったデータの収集を世界レベルでやってきた長い歴史があり、企業のグローバル戦略立案のためにデータを提供することが我々のいちばんの存在価値であり、ミッションでもあります。

ですが、いまの時代に求められているのがその次のステージだとしたら、膨大なデータを分析するところまでお手伝いするべきではないか。それもスピードが必要ということを念頭に置いたとき、私たちの解としては、AIを使ったビッグデータの分析にたどり着いたわけです。

それが新たに開発したデジタルプラットフォーム「gfknewron」です。過剰にあるデータのなかから、ノイズとなるデータに惑わされずにライトシグナルを導き出します。これまでデータ分析に費やしていた時間を大幅に短縮し、新たなリソースが確保できます。


GfK日本法人代表取締役 藤林義晃

AIを使うことで飛躍的なスピードアップが可能に


谷本:AIを使ったスピード化で、いままでと比べてどのぐらいの時間短縮が可能になったのでしょうか。

藤林:これまでは顧客がデータを受け取ってから、2~3日かけて必要なフォーマットに加工、そこから社内で分析したデータの結果を議論するという工程でしたが、AIがデータ分析すると、ほぼ数時間でそれが可能になります。分析するデータのボリュームも増えているので非常に大きな効率アップ、スピードアップといえるでしょう。

谷本:数時間とはすごいですね。しかもAIということで、蓄積されたデータからのディープラーニングも期待できる。

藤林:もうひとつ画期的なことがあります。弊社がもつビッグデータには、これまでのデータ集約によって、各ブランドのブランドプレミアムといった情報も蓄積されています。国ごとにどのブランドが強いかといったデータです。「gfknewron」のシミュレーターという機能を使えば、例えばある商品の売り上げを伸ばしたいとき、価格を1万円下げたらどうなるかということをシミュレーションできるわけです。

その際にブランドのもつ市場でのパワーも勘案するため、 AというブランドとBというブランドではおのずと結果が変わってくる。それらを全部ロジックとして取り込んだ機能であり、顧客が新しい施策を打つときに、事前にシミュレーションして役立てていただけます。

AIであれば、より大きなデータを、より効率よく、分析することができ、飛躍的なスピードアップが図れる。そうすれば顧客は時間配分を変え、自身のリソースをもっとクリエイティブな領域に注力できる。それが顧客にとってのメリットではないかと思います。

データと分析の世界的なリーダーとして消費者と市場のインサイトを提供してきたGfKが、蓄積してきたデータをもとに、 実行可能な提案と世界規模の分析を提供する。

高精度なデータ分析のうえに感性の時代が花開く


谷本:いま、消費者にとって人生がより豊かになるような、カスタマーサクセスという考え方が注目されていますが、そういった感情データも反映されるのでしょうか。

藤林:このgfknewronというプラットフォームには3つの要素があり、ひとつはPOSデータ。GfKの伝統的な資産であるグローバルの販売データですね。2つ目が消費者を調査したデータです。GfKはグローバルで3カ月に1回、自主的に消費者の調査をしています。

日本でも主要な家電製品の調査を行っており、その結果をすべてデータ化して、このプラットフォームに置いています。ですから、gfknewronのなかには、POSデータと消費者調査データが継続的にデータベース化されていて、その販売データと消費者データを3つ目の要素であるAIが分析することで、先ほどのシミュレーションが成り立つわけです。

消費者のマインドの変化、いま消費者がどんなことに関心があるのか。gfknewronConsumerというデータをご覧いただければ、消費者のトレンドまで含めてご理解いただくことが可能です。すでに導入している企業からは、インターフェイスの使い勝手も非常にいいという声をいただいています。


Forbes JAPAN Web編集長 谷本有香

谷本:今後よりスムーズで自由なデータの活用が当たり前になっていくのかもしれませんね。私たちはどんな時代を迎えるのでしょうか。

藤林:私の個人的な見解かもしれませんが、これからは感性の時代だと思っています。世界最先端のビジネスをしているアメリカの企業経営者のなかには、そういった意思決定をしている方もいますし、ニューヨークの成功しているビジネスマンは、週末に美術館に行くといいます。ロジックだけでは、もう新しいものはつくり出していけない。ですから、脳の違う部分を活性化させながら、よりクリエイティブな思考を身につけるということが、非常に重要になると考えています。

これからは感性を重視する企業が成功していくのではないでしょうか。それこそが消費者の求めているものかもしれません。企業がその力を十分に発揮できるよう、我々はデータの面からサポートしていきます。

GfK Japan
https://www.gfk.com/ja-jp/fb-may2022


藤林義晃◎GfK Japan代表取締役社長。NEC AustraliaとNEC本社でセールスマーケティングに従事した後、2005年にGfK Japanに入社。同社初のデータ分析チームを立ち上げ、18 年にはデータ事業とリサーチ事業の統合を主導、日本におけるデータ・ソリューション・プロバイダとしての確固たる企業イメージを築いた。

谷本有香◎Forbes JAPAN Web編集長。2004年に米国でMBAを取得。その後、日経CNBCキャスター、同社初の女性コメンテーターとして従事。これまでに3,000人を超える世界のVIPにインタビューした実績をもつ。

Promoted by GfK Japan | text by Akiko Naruse | photographs by Munehiro Hoashi | edit by Hirotaka Imai

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