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SDGs達成に向け数値目標も設定


次にSOMPOホールディングスは、SDGsを経営システムに取り込むために、パーパスの実現に向けた7つの重点課題を「SOMPOのマテリアリティ(経営上の重点課題)」として定めた。

この過程で作成したのが、「ESG/SDGsマトリクス」で、筆者が監修させていただいた。

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SDGsの169のターゲット・レベルで整理し7つのマテリアリティを特定した(出典/「SOMPOホールディングス統合レポート2021」)

「SDGsの169のターゲットそれぞれに対して、当社が提供する商品・サービスと、今後の戦略との関係性を洗い出しました。それが『SOMPO を取り巻く社会課題』です。そしてそのうえで、優先的に取り組む社会課題を特定し、7つのマテリアリティ(重要課題)として体系化しました」(下川氏)

7つのマテリアリティとは以下の通りだ。

1.あらゆるリスクに対する備えの提供
2.事故や災害を未然に防ぎ、レジリエントな社会に貢献
3.経済・社会・環境が調和したグリーンな社会づくりへの貢献
4.健康と笑顔を支えるソリューションの提供
5.持続可能な高齢社会への貢献
6.未来社会を変える人材集団の実現
7.価値創造に向けたパートナーシップのプラットフォーム構築

さらに、この7つのマテリアリティそれぞれに対して、数値目標を含むKPIを設定。例えば「1.あらゆるリスクに対する備えの提供」のKPIのひとつは、国内の正味収入保険料(保険の普及への貢献)で、数値目標は2021年度1兆9886億円、2023年度2兆799億円となっている。

「結果的にKPIの約8割が事業との関係性が強く、その事業の進捗を見るのに値する指標となりました」

SDGsの18番目の目標とは?


このマトリクスでもうひとつ重要なのが、ESGとの関連。縦軸左に「ESG区分」があり、ESG要素との的確な関連付けもできている。

「SDGsのどの目標に、どのように取り組んでいるかが明確化されているので、投資家だけでなく、マルチステークホルダーに対しても、重点ポイントの“見える化”をしています」

この整理方法であれば「企業にとって都合の良いSDGsを選んでいる」との批判を防ぐこともでき、投資家に対する訴求力を高める効果もある。

下川氏によると、このマトリクスをグループ内で共有し、グループ全体としてマテリアティへの理解を促進できたことで、SDGs経営の良いスタートが切れたという。

ただ、このマトリクスをもってしてもカバーできない項目もある。

文=笹谷秀光

サステナブル
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