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UNICEFによると、2018年時点で世界の人口の半数が都市部で生活していた。これが、2030年には60%まで上昇すると見込まれている。都市部で暮らす人々のうち、3分の1が子供だ。1989年に国連が採択した「子供の権利条約」では、「子供の教育への権利(中略)、休息しかつ余暇を持つ権利、その年齢にふさわしい遊びおよびレクリエーション的活動を行う権利、ならびに文化的生活および芸術に自由に参加する権利」を認めている。Forbes Life(ロシア)では、子供の権利が存分に尊重されている場所の実態を調査した。

ソニー創業者井深大は言った、『幼稚園では遅すぎる』


スウェーデンの作家アストリッド・リンドグレーンは、現代のヨーロッパにおける幼児期への接し方を形成した中心的存在だ。彼女が1945年に出版した『長くつ下のピッピ』の主人公ピッピ・ナガクツシタ(両親はいないが、自由で強く自立した女の子)は、子供に対するあらゆる偏見を否定して、第2次世界大戦後のヨーロッパ復興の象徴となった。ピッピは、大人たちに子供への見方を変えて、スウェーデンの教育学者エレン・ケイが20世紀初頭に著書『児童の世紀』の中で行った宣言──子供には知識を詰め込むのではなく、子供自身の学びや探究心を後押しすべきだ──に耳を貸すべきだと迫ったのである。


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とはいえ、子供に本当に必要なものは何だろうか。そして、親の理想的な愛情や子育てはどうあるべきなのか。それらの答えは今も見つかっていない。

ソニーの創業者で技術者でもあった井深大(次女には知的障害があった)は、1971年に著した『幼稚園では遅すぎる』という本の中で、当時の標準的な教育は21世紀を生きる世代に適さないと主張した。

「目先の利益や狭い視野にとらわれて子どもを教育したとき、おそらくその子は次の時代が要求する人間には育たないでしょう(本書193ページより)」。これが、幼児開発協会とスズキ・メソード音楽教室(才能教育研究会)が日本で発足した背景である。

フランスの精神分析学者で、子育て支援施設「緑の家」を創設したフランソワーズ・ドルトは1970年代にこう書いている。「子供に秘められた能力を発揮させるには、できる限り教育が権威主義の干渉を受けないようにしなければならない。これからは、子供のすべてを理解しようとするのをやめ、子供のあらゆる反応(理解できないものも含めて)を尊重しましょう」

翻訳=加藤今日子 編集=石井節子

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