ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座

レストラン「The Bubbleroom」にて

サンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを渡り、北に車を走らせると、1時間もしないうちにブドウ畑の景色が目に入ってくる。ここは、カリフォルニアで有数のワインを生み出す「ソノマ」のワインカントリーだ。

ソノマは、山を挟んで東側に位置するナパ・ヴァレーより太平洋側に位置する広い地域で、その中に多種多様の気候や土壌がある。そのため、場所によって植えられているブドウ品種も様々だが、同じ品種であっても、育つ場所によって出来上がりのワインの個性が大きく変わる。

このワイン造りに恵まれた土地から、腕利きの醸造家により多彩なワインが生まれているのだ。



ソノマは、カリフォルニアの歴史の中でも重要な地で、各地でその史跡が見られる。カリフォルニアで最も古い商業用ワイナリーがソノマにあるように、ワイン造りの歴史も古い。ここは、食・ワイン・歴史探訪など、それぞれの楽しみ方ができる場所だ。

今回は、そんな魅力あふれるソノマのお勧めスポットとワイナリーを紹介したい。

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ソノマのダウンタウンには数々の歴史的建造物がある

お洒落な街、ヒールズバーグ


ソノマのワインカントリーに来たら、ぜひ訪れたいのがヒールズバーグだ。目抜き通りには、お洒落なブティックやレストラン、アートギャラリーが並んでいて、街歩きも楽しい。数々のワイナリーがテイスティング・ルームを構えているので、ワインテイスティングのホッピングをすることもできる。

ミシュランの3つ星レストラン「Single Thread」があるのもこの街。ここの元スタッフが2021年に独立してオープンした「Quail & Condor」ベーカリーは、連日行列が絶えない人気店だ。朝ごはんに焼きたてのパンとコーヒーで、ワイナリーめぐりに備えて、腹ごしらえをしてはどうだろうか。

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スパークリングワイン専門のワイナリーで極上体験


ソノマで育つ様々なブドウ品種の中でも代表的なものが、赤はピノ・ノワール、白はシャルドネだ。そして、この2種から造る、スパークリングワインを専門とするのが「J Vineyards & Winery(以下、ジェイ)」。ワイナリーは、ヒールズバーグの街から、南に10分程度、車を走らせたところにある。

1980年代半ば、ジョーダン・ワイナリーのオーナー、トム・ジョーダンの娘ジュディさんが、シャンパーニュ好きが高じて、カリフォルニアの地でスパークリングワインを造ったのが始まり。このワイナリーでは、ラウンジやテラスで、お好みのテイスティングを選ぶのも魅力的だが、一番のお勧めは「The Bubbleroom」と名付けられたレストランでのペアリングの体験だ。

このコースは、季節ごとに変わる5皿の料理に、ジェイのスパークリングワインとスティルワインが組み合わせられた、ワイナリーでしか味わえない唯一無二のペアリングだ。合わせるワインには、限定ものや熟成したスパークリングワインが選ばれることもある。


キャビアと2011 Brut late disgorgedのスパークリングワイン

ソノマはもともと農業が盛んな豊かな地域。料理は、地元ソノマ産の食材をふんだんに使って、カリフォルニア料理をベースに、世界のテイストを織り交ぜて創作され、どのお皿にも驚きがある。ブドウ畑を眺めつつ、カリフォルニアの空気を感じながら味わう、極上の体験となるだろう。

文・写真=島悠里

ワイン
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