ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座

PFVのメンバーファミリーが造るワインは、どれも世界トップクラスのものだ

12のワイン生産家族で構成されるプリムム・ファミリエ・ヴィニ(PFV)は2月、今年で2回目となる「Family is Sustainability(家族は持続可能性の代弁者)」賞の最終候補に、京都の堤淺吉漆店を含む、卓越した5つの家族経営企業をノミネートした。最優秀賞には、賞金10万ユーロが贈られる。

PFVは、歴史ある世界屈指の12のワイン生産者が加盟する招待制の組織で、メンバーの条件は“家族企業”であること。そして、ワインの世界において一級品を実現すること、この上ない品質と持続可能性の代名詞となること、ファミリーの遺産と革新を融合すること、さらに展望や情熱において探究心に溢れていることを使命に掲げている。

「Family is Sustainability」賞は、自分たちと同じ家族経営の会社が、素晴らしい伝統や工芸を継承し続け、その上で社会的責任や持続可能性を推進することを目的とし、分野を問わず世界中から応募された中から、最終的に1社が選ばれる。

PFV会長で、テヌータ・サン・グイドのPriscilla Incisaは次のように述べている。「2022年のPFV賞には、素晴らしい独立系家族経営企業の応募があり、私たちはその中から、PFVが奨励したいと願う卓越性および前向きな価値観に焦点を絞りながら、何世代にもわたって家族のプロジェクトを成功に導いてきた、際立った5社を選択することができました」


最終候補の5社に選ばれた京都の堤淺吉漆店の堤卓也氏

最終候補に、日本から唯一選ばれたのが、京都の堤淺吉漆店だ。同社は、1909年創業の漆精製の老舗で、4世代にわたり、古くから日本に伝わる漆塗りの食器や工芸品の伝統を守り続けてきた。4代目の堤卓也氏は、この賞に応募した理由を「きれいな地球とともに漆の文化を次世代に繋ぎたい。そのために漆のことを世界中の人に知っていただく機会にしたいからです」と説明する。



堤淺吉漆店は、日光東照宮など国宝・重要文化財や漆芸作家に漆を納める。堤氏は、「大量生産、大量消費の時代背景の中、漆の使用量は減少しています。仕事が減っていく中、転職する仲間や子供に継がせない親など、職人さんたちの厳しい現状を目の当たりにしてきました。その反面、毎日漆と向き合う中、祖父から伝えてもらった漆の面白さ、美しさにどんどん引き込まれていきました」と語る。

文=島悠里、写真=PFV及び堤淺吉漆店(Ichi Nakamura&Shinichi Kotoku)

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