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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

BMW iX xDrive 50

BMWの代表的なモデルを考えた時、ハイパフォーマンスの「Mディビジョン」のスポーツ仕様車「M3」や「M5」などが思い浮ぶ。確かに、M仕様車のどれも素晴らしいクルマではあるが、今、自動車業界は環境保護に向けてグリーン化が進んでいる。

それを考えると、今までとは変わったフラグシップモデルが必要ではないか。デザイン的にもパワートレーン的にも走り的にも、とにかく目立つ格好良いEVが不可欠と言える。それが「BMW iX」だ。「iX xDrive 50」および「iX xDrive 40」が2種類が用意されているけど、僕は前者に乗ってみたので、その試乗レポートをお伝えしよう。

BMWはカーボンニュートラルの実現に向けて、2030年までにEVが全世界の販売台数の50%を占めるレベルにすると言っている。そのBMWにとって、iXはどのくらい重要なモデルなのか。実はこのiX、同社のEVジャンルの代表的な存在として非常に重要な役割を持っている。デザインが新鮮だし、523psを発揮するし、しかも一充電で600kmほどの航続距離がある。欧州でもいち早くEV車に取り組んできた先駆者の地力を感じさせる車両だ。

正面から見たiX

では、まずはデザインを見てみよう。

とにかくiXは大きい。テスラ・モデルXやアウディe-tronよりも大きい同車は、X5とほぼ同サイズ、と聞くとその巨大さがわかる。言うまでもなく、ここ数年、BMWの代表的なキドニーグリルがどんどん巨大化して、最新の4シリーズの縦に長いグリルは賛否両論にもなっている。メディアでは「BMW、どうしたの? 格好良くないぞ!」という辛口なコメントも聞こえてくる。僕も、4シリーズには、よりコンパクトなグリルが似合うと思うけどね。しかし、対してこのiXの縦に長いグリルは、新鮮で格好良いだけではなく、全高の高めのiXのボディサイズに絶妙にマッチングしていると思う。

ところでこのグリル、不思議な特徴を2つ持っている。ひとつは、万が一グリルにキズみたいなダメージを受けた場合に、「独自に直せる」仕組みの特殊なコーティングを施している。やはり、グリルの裏には前方の道路を見るADAS用のカメラやセンサーが配置されているからこそ、グリルにダメージがあっても、ウルヴァリンのようにすぐに独自に「再生」できるので、カメラは常にキレイに前方を感知できる。もう一つは、万が一グリルに雪か氷が溜まった場合に、熱でその氷を溶かす機能を持っている。賢いね。

グリルの写真
圧倒的な存在感のキドニーグリル

また、面白いことに、ボンネットを開けることはできないようになっている。BMWによると、オーナーは開ける必要がないという。でも、例えば、ウォッシャーの液体を足したい時にどうすれば良いのか? ボンネットのBMWのエンブレムをパカっと開けると、なんと液体を足す穴が空いている。

逆にこれほどの主張の強い顔は、それぞれ個性をよりはっきりさせようとしているカーメーカーから見ると、ちょうど良い仕上げではないか。iXの全体的なルックスはまるで、「アイアンマン」が子供の学校の送り迎えをしそうなクルマのようだね。

文=ピーターライオン 写真=西川節子

BMWEV
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