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世界が直面する課題の解決方法


人材戦略を見直す時期


この嵐のような状況の中で、企業は何をするべきなのでしょうか。船乗りなら誰でも知っていることですが、一番近い港を見つけて嵐が止むまで停泊するか、帆を調整し、コースを変えて波に乗るか、嵐を乗り切る方法は二つしかありません。

企業に必要なのは、帆を調整することでしょう。こうした動向を否定したり、受け身で対処したり、あるいは攻撃的に対応する(暴騰した対価戦略を考えてみてください)ことは、最善の解決策ではありません。必要なのは、組織の人的資源戦略における、三つのシンプルな方向転換です。

1. 人材の維持:対価型報酬から学習型報酬へ


CTC(企業の従業員に対するコスト)から雇用の視点を広げる時期に来ています。ボストンコンサルティンググループ(BCG)の調査によると、ブルーカラー、ホワイトカラーを問わず、世界中の労働者の68%が学び直しによって、新しいスキルを身につけたいと考えていることが分かりました。

Z世代とミレニアル世代については、この傾向はすでに認識されていましたが、一方で、45歳以上の約3分の2の人が「新しいスキルを身につけるために、かなりの時間をかける覚悟がある」という事実はあまり知られていません。

興味深いことに、トレーニングと能力開発の価値に対する認識は、過去5年間でほぼ2倍になったと報告されています。こうした努力を評価し、積極的に奨励することは、人材確保に関する組織の見解を再構築するための有効な手段となるでしょう。

2. 雇用:学歴重視からスキル重視へ


従来、就職で最も重視されるのは「学歴」でした。買い手(雇用者)市場から売り手(被雇用者)市場への転換を迎えた今、スキル重視の採用という有望な新しいトレンドが芽生えつつあります。米国のリンクトインによると、学歴ではなく、スキルや責任を重視した求人広告が21%増加したということです。

しかし、採用に際しては、学歴に偏る傾向があるのも事実で、早急にこれを是正しなければなりません。新しいスキルを習得するため投資は、その最終的な報酬が就職であるだけでなく、適切なスキルを身に着けることでパフォーマンスが向上し、ウィンウィンの関係を築くことができるのです。

文=C. Vijayakumar, Chief Executive Officer and Managing Director, HCL Technologies

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