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凸版印刷 代表取締役社長 麿秀晴

コアの印刷技術を活用して、情報やエレクトロニクス、生活・産業などに事業領域を広げてきた凸版印刷。サステナビリティへの取り組みは、統括組織であるエコロジーセンターを設置した1991年までさかのぼる。当時は環境保全活動が中心だったが、2006年には「国連グローバル・コンパクト」(企業に「責任ある市民」としての行動を求める国際イニシアチブ)を活動の原則に据え、より幅広いアプローチで持続可能な社会づくりに力を入れてきた。

従来の取り組みを加速させたのが、19年6月に代表取締役社長に就任した麿秀晴だ。お題目で終わりがちなサステナビリティを、どのように発信・実践して自社の成長に結びつけようとしているのか。


──19年11月に、SDGsの取り組みに関する基本的な考え方をまとめたステートメント、「TOPPAN SDGs STATEMENT」を発表した。

凸版印刷は00年、企業理念・経営信条・行動指針を定義した「TOPPAN VISION 21」で自社のあるべき姿を「社会的価値創造企業」と定義した。「TOPPAN SDGs STATEMENT」では、社会的価値創造企業になるための成長エンジンはSDGsの取り組みであるべきだと位置づけた。

われわれは1900年の創業だ。長く続く会社は、何かしらの社会的価値を生み続けてきたからこそ存続を許されてきた。その意味ではわれわれもずっと社会に貢献してきたという自負がある。ただ、SDGsが出てきて、「自分たちの貢献は17項目のどれなのか」と整理できるようになったことは大きい。また、かつて社会貢献はエキストラマネーでやるという考えが一般的だったが、SDGsは事業の中でやっていくという考え。そのこともステートメントで示している。

──ステートメント発表は社長就任5カ月後だ。

ステートメントは、本来もっと早く出すべきだった。ビジネスはマーケットとお客様の個別のニーズを両方見る必要があるが、いままでの当社では、個別ニーズが盛り上がってから動くパターンがほとんど。しかし、マーケットのトレンドを見て、何年も前から社会課題を解決しないといけないことはわかっている。ニーズが顕在化する前にステートメントを早く出したかった。

──続けて20年11月に「TOPPAN Business Action for SDGs」を発表。さらに今年5月発表の中期経営計画(21年4月〜23年3月)には数値目標も盛り込んだ。

ステートメントを発表しただけでは、かけ声のみが会社のなかを走り回っている状態で、従業員の皆さんは自分たちが何をしたらよいのかピンときていないようだった。そこで「TOPPAN Business Action for SDGs」を発表して、サーキュラーエコノミーの実現や、文化を「魅せる・未来に残す」への貢献、革新的なデジタル技術による健康への貢献、食品ロス削減による飢餓撲滅への貢献をはじめ、具体的に9つの注力分野と活動内容を設定した。

文=村上 敬 写真=ヤン ブース

サステナブル

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