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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介


──受注産業体質からの脱却という話があった。どのように実現するのか。

われわれは印刷という同じ設備、同じ材料、同じビジネスモデルで100年食べてきた。しかし、直近10年は状況が変わった。受注型のモデルはお客様のニーズがあって成り立つが、先の読めない時代になって、お客様がわれわれに従来のような宿題を出せなくなった。こんどは逆に、こちらが示さなくてはいけない。凸版印刷は業種関係なく2万社以上の顧客基盤があり、BtoCもやっている。マーケットの動きをデータとして取れる立場にいるので、その強みを生かしたい。

また、受注型ゆえに変化に鈍いところはあったが、印刷で培った技術やノウハウを各事業領域でマーケットに合わせて変化させてきた歴史もある。例えば紙メディアからデジタルにアウトプットを変えてきたのもそのひとつだ。

今後は技術を縦に変化させて対応するだけでなく、事業領域を横串で刺していく対応が必要だ。ヘルスケアというテーマなら、エレクトロニクス事業はセンサーをもち、生活・産業は薬のパッケージをやって、情報コミュニケーション事業はデータ解析ができ、個人情報取り扱いのノウハウもある。

これらに横串を刺したら、スマートハウスでセンサーからバイタルデータを取って、病気や服薬の履歴まで一元管理して、必要なときに薬を出してもらえるといったビジネスができるかもしない。こうした新しいアクションを促すという意味で、環境の変化は大歓迎だ。

──変化する時代におけるリーダーの役割は?

従業員には、ぜひ自分で考えてアクションを起こしてほしい。それができる環境を整えることがリーダーの役割だ。

昨年、内容を問わず従業員が社長にプレゼンできる「社長プレゼン」を実施した際、73チーム、のべ255人の応募があった。新事業の提案から現場の課題まで中身はさまざまだったが、皆が会社の将来について真剣に考えてくれていて頼もしかった。前向きな思いをもった従業員が、いかに行動しやすい組織をつくるか。それがリーダーの大事な仕事のひとつだと考えている。


まろ・ひではる◎1979年、山形大学工学部卒業後、凸版印刷入社。パッケージ事業本部製造技術本部長、同第三営業本部長、取締役国際事業部長、常務取締役シンガポール支社長、同経営企画本部長および国際事業部担当、専務取締役、副社長などを経て、2019年より現職。

文=村上 敬 写真=ヤン ブース

サステナブル

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