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SDGsを活用した「発信型三方良し」ビジネスを探る

PaperLab(ペーパーラボ)A-8000

「持続可能でこころ豊かな社会を実現する会社」。これこそ、企業人が目指したいあるべき企業の姿であろう。それを、"ありたい姿"として定めているのがセイコーエプソンである。

同社は、2021年3月に「ものづくり企業としてやり遂げなければならないこと」を描いた「環境ビジョン2050」(2008年策定)を改定し、「カーボンマイナス」および「地下資源消費ゼロ」を目指すことを宣言した。環境関連の取り組みにはこれまで以上に注力し、とりわけ「脱炭素」「資源循環」「お客さまのもとでの環境負荷低減」「環境技術開発」に力を入れている。

そのビジョンを体現している製品が、水を使わずに使用済みの紙から新たな紙を生産できる「PaperLab(ペーパーラボ)」だ。2016年の発売以降、ペーパーレス化で不要になるのではないかとも言われている「プリンター」の価値を変える製品として、大きな注目を集めている。

ペーパーラボが紙の未来を変える


いくらペーパーレスと言われても、紙には「見やすい」「理解しやすい」「記憶に残りやすい」といった価値があるのは確かだ。情報収集をデジタル化しすぎてその価値が忘れられてしまっているかもしれないが、例えば紙の百科事典を開けば、調べようと思った事柄の前後の項目なども何気に学び、それで知識が広がることもあっただろう。

ペーパーラボは、ペーパーレスの時代にも紙の価値を高めうる「解決策」を提示する製品だ。その場で紙をリサイクルしてつくってしまえという大胆な発想から生まれたものだ。

その秘密は、独自開発の新技術。紙を繊維に戻し(繊維化)、結合素材によって強度・白色度の向上や色づけを行い(結合)、新たな紙をつくり出す(成形)技術だ。名刺用の厚紙や色紙など、用途に合わせた多様な紙を生産することもできる。つまり、アップサイクルである。

従来型の紙のリサイクル過程では大量の水が使われていたが、ペーパーラボではほとんど必要ない。環境にやさしいだけでなく、導入時の給排水工事が不要で、オフィスフロアにも設置しやすい点も特徴だ。

さらに、機密文書などの紙を細長い繊維に分解し、情報を完全に抹消することができるため、機密情報の漏えいを防げるというセキュリティ向上の効果もある。

文=笹谷秀光

セイコーエプソンサステナブル
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