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SDGsを活用した「発信型三方良し」ビジネスを探る


取締役 常務執行役員でサステナビリティ推進室長の瀬木達明氏によれば、毎年、各事業の事業戦略部門長や事業管理部門長が、事業とSDGsのターゲットとの関連性を「棚卸し」して、目指す方向性や取り組みを確認しているという。

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取締役 常務執行役員の瀬木達明氏

具体的に同社のESG/SDGsマトリックスを見てみよう。SDGsの目標7「クリーンエネルギー」や目標12「持続可能な生産と消費」、目標17「パートナーシップ」などを中心に、同社の主力事業であるプリンターやペーパーラボの製造に伴って、関連するSDGsの169のターゲット(数字)がたくさんピックアップされていることがわかる。

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サステナビリティ重要テーマとSDGs17目標との関連 (ESG /SDGsマトリックス)

そして、このターゲットの内容は、左端にある同社のマテリアリティ(重要課題)と関連付けて整理されている。つまりこのマトリックスにより対応するSDGsが明確化されているのだ。

ターゲットレベルでの訴求が強み


瀬木氏はSDGsを17目標だけでなく、169のターゲットレベルまで検証することの重要性について、以下のように語る。

「ターゲットレベルまで検証することにより、SDGsの目標が真に目指す姿やレベルが理解できます。“SDGsウオッシュ”と言われることのないよう、関連付けの根拠も明確にする必要があるのです」

セイコーエプソンの本社がある長野県は、2018年にSDGs未来都市に選定されている。同社は長野県の「SDGs推進企業登録制度」にも登録しており、毎年、SDGs達成に向けた具体的な取り組みを県に報告している。

それにも前出のマトリックスが役立っているという。瀬木氏が続ける。

「登録制度で挙げられているチェック項目に対し、当社の取り組みについて公開情報を示すだけでなく、ターゲットレベルで説明できる点が強みです」

セイコーエプソンは、「Forbes Japan」2021年11月号の「AIが選ぶサステナブル企業100社」でも、第1位を獲得。小川恭範社長が表紙を飾った。

その反響について瀬木氏は、「社内外で極めて大きなインパクトがあった。これはこれまでの様々な努力の成果であり、また、SDGs達成に貢献するサステナビリティ経営の取り組み内容を、地道に発信してきた成果ではないか」と分析する。

セイコーエプソンのSDGsに対する取り組みは、まさに筆者が進める「発信型三方良し」の好事例と考えられる。サステナビリティにおいても、発信が重要な時代に入ったと実感する。これからも同社は、評価される「持続可能でこころ豊かな社会を実現する会社」であり続けるだろう。

文=笹谷秀光

セイコーエプソンサステナブル
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